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著名人インタビュー この人に聞きたい!
大九明子さん[映画監督]
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●第7章 若者を描いた映画を監督する。
2014年と2015年、大九監督は高校生を描いた2つの映画を監督する。
2014年公開。人気少女コミック『ワールドゲイズ』を、オムニバス映画化した「放課後ロスト」 。
大九監督は、3人の女性監督によるオムニバス作品のEpisode 3. 「倍音」の監督・脚本を担当した。
校舎に漂う空気感や友達との遊び、別れの思い出など大九さん自身が高校時代に経験したことや感じたことが、作品に描かれてる。
『放課後ロスト』(2014年公開)
=> 公式サイト(http://www.hokago-lost.jp)
エピソード① 「リトル・トリップ」 監督・脚本:天野千尋/出演:未来穂香・高嶋香帆ほか
エピソード② 「らくがき うわがき」 監督・脚本:名倉 愛/出演:佐藤すみれ・大石悠馬・中山絵梨奈ほか
エピソード③ 「倍音」 監督・脚本:大九明子/出演:松岡茉優・古泉葵ほか
原作:「ワールドゲイズ クリップス」五十嵐藍(KADOKAWA刊)
製作・配給:プロジェクトドーン
映画『放課後ロスト』 Episode 3.「倍音」 について。
――ご自身の高校時代の思い出が作品に反映されていますか?
【大九】主人公の2人みたいな“世をすねた”高校生でしたね、私も。映画に出てくる可愛い3人組の女の子たちは全然悪い子たちじゃないんですよね、本当は。だけど、なんか「うまいことやっている奴らが気に食わねー」みたいな、そういう感じのちょっと斜に構えた子どもだったので、このあたりは自分に似てる部分もあります。遊びについても、音を集めるっていう遊びは原作にあるのですが、それ以外に色々やっていた遊びがあるんですけど、屋上から下に居る人にアテレコして遊ぶとか、それは高校時代よくやっていましたね。くだらないアテレコをしてゲラゲラ笑うっていうだけの遊びですけど、モテている人に対して、アテレコをして高笑いしている・・・単なるひがみなんですけどね。
――「倍音そうる」という曲のシーンが印象的でした。
【大九】6、7年前に目黒のライブハウスで出会った曲で、すごく心打ちぬかれてなんていい曲だろうと思って、それからずっと「これを映画にしたい」って思っていたんです。
今回の自由度のある企画が来たときに「あ、もしかしてこの作品で「倍音そうる」が使えるかもしれない」と思って、タイトルも「倍音」っていうことにしたんです。
――一番好きなシーンは、どのシーンですか?
【大九】最後、校庭の広い画で腹をパンチするところ、あの一連です。あの画が撮りたいってことから逆算しての映画だったんです。
――そのラストシーンで青空に黒煙が重なる画には、何か想いがあるのですか?
【大九】私、なんとか45歳まで生きてきましたけど、もう一日も戻りたくないんですよ、45歳から。
もう本当に自分なりにここまで生きてくるのが大変だったので。でも、それをこれからこの若い皆さんが同じような苦労をするんだなーと思うと、「後で絶対笑えるときがくるから、とにかくガンバレ」って言うことしかできないよなーといつも思うんです。自分も未だに悩むこともいっぱいあって、自分の先輩方から「あと何十年すれば楽になるよ」みたいなこと言われるとフッと嬉しくなったりするんですね。だからそういう意味で「バラ色の将来なんか待ってないけど、『ガンバレ』 」っていう思いですかね。黒煙と風船はそういう思いで描きました。
『放課後ロスト』は、若い人にも大人の人にも観てほしいです。今回は、今まで以上に10代の人達に見ていただきたいなと思います。
2015年公開の『でーれーガールズ』。
1980年と現代の2つの時代を舞台に、恋と友情を描いた感動の青春物語。
原作は、2005年「カフーを待ちわびて」で第一回ラブストーリー大賞を受賞した、原田マハさんの「でーれーガールズ」。岡山で青春時代を過ごした、自身の経験をベースに描いた一作。
大九明子監督作品 『でーれーガールズ』
2015年 2/21 全国ROADSHOW(2/14 岡山先行)
=> 公式サイト(http://deereegirls-movie.jp/)
原作:原田マハ「でーれーガールズ」(祥伝社刊)
脚本:源孝志
出演 優希美青 足立梨花 白羽ゆり 安蘭けい ほか
製作:「でーれーガールズ」製作委員会
配給:名古屋テレビ
(C)2015 原田マハ/ 祥伝社/「でーれーガールズ」製作委員会
――映画「でーれーガールズ」の見所を教えてください。
【大九】今回の作品は、原作者の原田マハさんが実際に東京で生まれ、岡山で数年過ごした青春時代の思い出を元に描いた小説を映画化した作品です。
30年以上の時間を経て、親友だったふたりの女の子が大人になって再会する・・・その時に、30年前に一体何があってふたりは離れ離れになってしまったのかが少しずつ分かって行く、という物語です。
タイトルにもある「でーれー」という言葉は、岡山の方言なんです。(※「すごく」「とても」という意味)
その点からも、“ご当地映画”という匂いがするんですけれども、そこにとどまらずに、普遍的な「青春の痛みときらめき」を表現したいという、自分の中の狙いがありました。
物語は、1980年という時代を描いているのですけれども、単に懐古主義的な映画になってはいけないなと思っていたので、“誰もが通る青春”を丁寧に描こうということで、80年代のカルチャーも盛り込みつつも、普遍的なテーマを撮ろうと心がけました。
その1つとして、映画では、原作に少しアイディアを加えています。
1980年は山口百恵さんの引退した年。主人公が百恵ちゃんの大ファンだったらこの年をどう過ごすか、ということを盛り込みました。そこも観てほしい見所の一つです。
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