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著名人インタビュー この人に聞きたい!
伊達公子さん[テニスプレーヤー]
1970年生まれ。小学校1年生からテニスを始める。日本人の女子テニス選手として、史上初のWTA世界ランキングトップ10入り(ランキング9位)を果たす。翌年には4位まで浮上。1996年のフェド杯では当時世界1位だったシュテフィ・グラフを撃破、ウィンブルドンでもべスト4。1996年引退。1998 年より、「伊達公子とテニスであそぼ カモン!キッズテニス」を全国で展開する。活動は海外にも広がり、これまでにニューヨーク、パリ、北京、上海などでキッズテニスを開催。世界の子どもたちにテニスの楽しさを伝える活動を行っている。
先日、37歳でプロ復帰宣言をされた伊達公子さん。テニスプレーヤーとして活躍し、日本人女性初の輝かしい成績をいくつものこしてきた伊達さんに、世界の舞台で戦い続けてきたトッププレーヤーならではの経験を語っていただきました。
取材日:2007年12月
[INDEX]
- 第1章 プロの世界でどこまでやれるか、自分を試してみたかった。
- 第2章 運をつかみとるためには自分自身に妥協しないこと。
- 第3章 子どもに夢中になるものを見つけるきっかけを与えたい
●第1章 プロの世界でどこまでやれるか、自分を試してみたかった。
テニスコートには楽しいことがあふれている
――テニスとの出会いは6歳のときだったそうですね。
【伊達】はい。もともと両親が体を動かすことが好きで、山登り、スキー、海水浴と、体を動かす機会が多い家族だったんです。それで、親についてテニスコートに通うようになって、ボール遊びをしたのが最初でした。私にとっては校庭や公園のような遊び場がまた一つ増えたという感覚で、徐々に見よう見まねでボールを打つようになったんです。
――のめり込んだのは何歳ぐらいだったんですか?
【伊達】7歳の頃には完全にのめり込んでいましたね。1球でもうまく返せるとコーチや親がほめてくれるので、それが子どもながらに嬉しくて。自分でも、昨日は3回しかできなかったのが今日5回できたというような成長が感じ取れて、すごく楽しかった覚えがあります。テニスコートには楽しいことがあふれているという感じで、暇さえあれば壁打ちをやったりして、つねにボールを打っていたいという感覚になっていました。
――ご両親は、そんな娘を見ていて、「やめなさい」とか、言いませんでしたか
【伊達】「やめなさい」とは1回も言われなかったですね。兄と姉は私がテニスを始めた頃は小学校高学年、中学年に入っていたので、自分たちの友達ができてきていた時期で、私は両親と過ごす時間がまだ多かったのですが、非常に協力的でしたね。学校の校庭で遊んだり、公園に行くと「5時には帰ってきなさい」って言われるんですけれど、テニスコートにいると、「帰ってきなさい」って言われなかったんですよ。テニスコートは、「日が暮れても、いつまでも遊べる場所」でした。両親もあたたかく見守ってくれてたような気がしますね。
テニスを毎日できる環境を求めた結果がプロという選択だった
――それからプロになろうと思ったのはいつ頃でしたか?
高3の時、インターハイで
シングルス、ダブルス、団体で3冠達成>
【伊達】遅かったんですよ。高校2年の秋に、プロが出場している試合で好成績を出せたのがきっかけでプロになるのを意識し始めて、決めたのは高校3年の春でした。
――迷いはありませんでしたか?
【伊達】まったく迷いませんでした。テニスを毎日できる環境を求めた結果がプロという選択だったので、私の中では、仕事という意識はなかったんです。けがをしたらやめればいいかな、くらいの軽い気持ち。
――じゃ、不安もなく?
【伊達】うん。まったくなかったですね。高2の秋から高3の春という短期間のうちにプロになることを決めたので、不安より意欲のほうが大きかったんです。自分がどこまでできるのか、自分自身で見てみたいという気持ちのほうが強かったと思います。
――その試合で、セミファイナル(準決勝)までいけた理由は?
【伊達】無欲だったことが一番大きいと思います。一般のプロが出ている試合で、高校生がセミファイナルまで行くということも珍しいことだったので、「負けて当然だ」と無欲だったことに加えて、私自身、勝負がかかるほうがやる気が起きやすい性格だったこともプラスになったんじゃないかなと思います。
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