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著名人インタビュー この人に聞きたい!
高野登さん[ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社 支社長]
[INDEX]
No.5(第1弾)
- 第1章 日本のホテル・観光業界は、これから一番面白い時期に入ります
- 第2章 ホテル業界の魅力とは
- 第3章 ホスピタリティ業界が求めている「心の立ち位置」
No.6(第2弾)
- 第4章 自分を出せない子どもたち
- 第5章 今、心が敏感な子どもたちのために
- 第6章 仕事に「遊び心」を持つことの大切さ
●第6章 仕事に「遊び心」を持つことの大切さ
大人が楽しく仕事をしてみせる。それしかないのではないでしょうか。
【高野】社会に関わる楽しさ。それを知る機会を失っている子どもたちがたくさんいるのであれば、ものすごく気の毒なことですよね。何とかしてあげる方法があるなら考えなきゃいけないなと思います。
解決策かどうか僕にはまだわかりませんが、楽しく仕事をしているところを見せてあげるというのも大事なことのひとつではないかと思いますね。生きていくことが、ただ苦しくて、ただつまらなくて、嘘や偽善の集団の中にいることではない。大変なこともあるけれども、こんなに楽しいことがいっぱいあるよというメッセージを伝えていく人たちが、もっと増えないとまずいかなと思いますね。
大事なことは「仕事はやっぱり楽しまないとダメ」ということ。ちょっとしたいたずら心や遊び心をかたちにする習慣を持つということで、仕事に対する興味が全然変わってくる。
僕の大先輩ですごく尊敬しているホテルマンですが、あるときお客様に贈り物を届ける途中、廊下からホテルの庭を見ると、椿の花が敷地内に咲いていた。そこですっと降りていって、花を一輪ヒュッと折って、届け物の上に何気なく斜めに置いてお持ちした。こういう感性のホテルマンがいるんですね。これには私も正直びっくりしました。20年以上も前にその光景を見て以来、自分の中で1つのスイッチが入りました。粋な遊び心ですよね。
遊び心とは、ただ単に遊ぶのではなくて、ちょっと優雅な、いたずら心。「こんなことをして、ちょっとこの人の気持ちに絡んでみようかな」という、戯れるようないたずら心がないと、仕事をしていてもつまらないですね。礼儀正しさだけでは、お客様の目には慇懃無礼なホテルマンとしか映らなかったりすることもあるわけですよ。それではお客様がホテルに泊まる楽しみが1つ減ってしまいます。
もっと仕事を楽しまないと、自分が損ですよ。
【高野】外資系のホテルと日本のホテルのちょっとした違いがあります。日本のホテルのスタッフとロビーでぱっと目が合うでしょう。10人中8人は目をスッと逸らすんですよね。ところが外資系のホテルのロビーで従業員と目が合うと、ちょっと微笑んで「何かお探しですか」「何かお手伝いできることがありますか」と寄ってくる。
これは「お客様と積極的にコミュニケーションを取りなさい」という人材教育をされているかどうかの違いです。コミュニケーションというのは、自分から進んでお客様と接点を持ち、会話をすること。きちんとお客様の言葉を受け止め、さらに自分のことを伝えてもいいですよという教育をされているかいないか。もっと自由闊達な遊びの要素を取り入れて仕事を楽しむ習慣を身につけないと、人生そのものがつまらないものになってしまいます。自分が損ですよ。これは絶対自分が損。
世の中には、人間が嫌いだというひとは実はそんなにはいないんです。人が嫌いになるような経験をした、そういう人はいるかもしれません。でも根っから人間が嫌いな人は、そんなにいないんです。少なくとも私の周りには、いなかったですね。
ホテルというのは、人間が好きな人にとってみたら、たまらない業界ですよ。
- No.39 大九明子さん
- No.38 はまのゆかさん
- No.37 樋口弘光さん
- No.35 小松亮太さん
- No.34 おかひできさん
- No.33 桐谷美玲さん
- No.32 萩原浩一さん
- No.31 漆紫穂子さん
- No.30 柿沢安耶さん
- No.29 中村憲剛さん
- No.28 平澤隆司さん
- No.27 田川博己さん
- No.26 笹森通彰さん
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- No.24 中田久美さん
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- No.20 野口聡一さん
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- No.17 伊達公子さん
- No.16 佐藤可士和さん
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- No.14 中田宏さん
- No.13 蓮舫さん
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- No.7・8 冨田勲さん
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- No.3・4 乙武洋匡さん
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