HOME > この人に聞きたい! > 平澤隆司さん(ヘアアーティスト)
著名人インタビュー この人に聞きたい!
平澤隆司さん[ヘアアーティスト]
[INDEX]
- 第1章 引退したら学校に行かなくなるほど吹奏楽に夢中だった中高時代
- 第2章 バイトに明け暮れた学生時代。接客のバイトでサービスの基本を学ぶ
- 第3章 人と接する仕事は、技術だけでなく、人の気持ちを推し量る感覚も必要
- 第4章 ヘアサロン ハローワークマップ(MaxBlonde編)
●第3章 人と接する仕事は、技術だけでなく、人の気持ちを推し量る感覚も必要
アシスタントとして先輩スタイリストの後ろについて、技術を学ぶ
――美容師になる時、働くお店はどうやって探したんですか?
【平澤】アルバイトを辞めた直後は、実家で働いていました。そうして、美容学校を卒業する時に、父が修行に出なさいと言って青山のお店を紹介してくれたんです。そのとき、自分でも求人情報誌を見ていくつか面接に行ったんです。特に青山に執着はなかったんだけど、紹介されたお店が青山だったからその周辺がいいかなと思って。面接したのはすべて有名なお店で、どこもいい返事をいただいたのですが、しっかり技術を学ばせてくれそうなマックスブロンドにしました。
――技術は、先輩がスタイリングしているのを見て覚えるんですか?
【平澤】はい。うちの親が、口で説明するだけでは分からないから見てなさいっていうやり方をしていたので、そのやり方で覚えました。ここはこうやって切るんだよって言っても、100人いたら100の頭の形があるし100の髪質あるから、実際に見ながら覚えるのが上達の近道だと思います。はじめは、アシスタントとして先輩スタイリストの後ろについて、技術を見せてもらってました。それを3,4年やって一人立ちしました。
――美容師としてやっていく上で大切なことは何ですか?
【平澤】つねに追求心なんですよ。だって時代は変わっていくから、そのときそのときのトレンドを入れてかないといけないし。自分も提案するんだけど、お客様の要望にもこたえなきゃいけない。それがあいまって、ちょうどいいものになるんです。
――この仕事が自分に合っていると思うときはありますか?
【平澤】お客様とお話ししてるときですね。基本は、お客様に合わせて話すんですが、タカシは自分の話しもしちゃいます。実家の美容室だったらお話しできないことってあるじゃないですか。でもこういう大都会のど真ん中にある美容室だと、お客様もおしゃれなわけですよ。やだかわいいそのピアスとか、こんなオカマ言葉だと実家では話せないですけど、そんな話しもできて楽しいです。
――嬉しいのは、どんなときですか?
【平澤】毎日、違う人と出会えるのが新鮮。また、人がきれいになっていくのを見られるのが楽しいし、笑顔でありがとうって言ってもらえることが嬉しいですね。仕上げに入っていくと、お客さんが笑顔になっていくんですよ。
あと、自分が対応したお客様がお友達を紹介して来てくれて、そのお客様がまたお友達を紹介してくれるのは嬉しいですね。自分の仕事を評価してもらっているということだから。
楽しく働くには、言いたいことを主張するだけでなく、人の気持ちを理解することも大事
――中学高校、専門学校のときに、やっておくといいことは?
【平澤】部活はやった方がいいと思います。同世代の友達が多いのもいいけど、社会に出ると年上年下の人との人間関係って大事だから。部活をやることで、挨拶などの礼儀が身に付き、先輩後輩との人間関係を築くことができます。さらに、何かに打ち込み、その苦楽を共有する仲間がいるというのは、すごくいい経験になりますね。
お客様とのコミュニケーションも美容師の仕事の一つだから、接客のアルバイトをすることをおすすめします。ちなみにタカシは、専門学校の頃、居酒屋、カフェ、バー、料亭など手当たりしだいに接客のアルバイトをしました。それが今どう役に立っているかというと、たとえば、スタイリングしながらおしゃべりしている時に、そうですよねって言いながら目が合ってるんだけど、すぐ雑誌に戻る。その瞬間、あっ、お客様は今雑誌を読みたいんだと分かるわけです。だからなるべく声を掛けないようにする。そんな、人の気持ちを推し量る感覚は、接客のバイトで身に付けましたね。そうやっていつも仕事しています。
――新世代ヘアー界のカリスマという地位を築ましたが、いい仕事をするために必要なことは?
【平澤】遊びに行くこと。だって、人が集まるところはオシャレをして来る人が多いから。今こんなのが流行っているんだと、情報を仕入れる。若いときはクラブとかパーティとか、それこそ寝る間も惜しんで遊びに行ってました。最近はちょっと大人になって、ミュージカルやお芝居といった落ち着いたものを観に行くようになりましたね。ちなみに、好きな映画は「太陽がいっぱい」で、好きな漫画は「ベルサイユのばら」。ミュージカルで好きなのは劇団四季と宝塚。最高です。
あと偽名を使って他のお店にシャンプー&ブローをしてもらいに行くこともあります。そこの接客はどうなのかしら、ここのカットってどうなのかしらとお客の立場から見ると、それまで気づかなかった発見をすることがあります。そういうのも含めて、今につながっているんだと思います。
――中高生にメッセージをお願いします。
【平澤】楽しく働くには、相手の気持ちもわからなくちゃいけないし、自分の考えも伝えなきゃいけない。そのバランスがすごく大切なので、人の気持ちのわかる素敵な大人になれるよう、部活動やアルバイトで人間関係を磨き、根性のすわった、忍耐力のある社会人になってください。
- No.39 大九明子さん
- No.38 はまのゆかさん
- No.37 樋口弘光さん
- No.35 小松亮太さん
- No.34 おかひできさん
- No.33 桐谷美玲さん
- No.32 萩原浩一さん
- No.31 漆紫穂子さん
- No.30 柿沢安耶さん
- No.29 中村憲剛さん
- No.28 平澤隆司さん
- No.27 田川博己さん
- No.26 笹森通彰さん
- No.25 野口健さん
- No.24 中田久美さん
- No.23 ルー大柴さん
- No.22 松本素生さん
- No.21 田原総一朗さん
- No.20 野口聡一さん
- No.19 三枝成彰さん
- No.18 渡邉美樹さん(2)
- No.17 伊達公子さん
- No.16 佐藤可士和さん
- No.15 渡邉美樹さん(1)
- No.14 中田宏さん
- No.13 蓮舫さん
- No.12 竹中平蔵さん
- No.11 前原誠司さん
- No.9・10 渡邊雄一郎さん
- No.7・8 冨田勲さん
- No.5・6 高野登さん
- No.3・4 乙武洋匡さん
- No.1・2 藤原和博さん