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著名人インタビュー この人に聞きたい!
松本素生さん[ミュージシャン]



第3章 「明日死ぬよ」と神様に言われても「しょうがないかな」って感じ

親父になっても、日々爆発しながら生きるのが夢だった

――デビューのきっかけは?

松本素生/GOING UNDER GROUND

【松本】18歳ぐらいのときに、一人1万円ずつぐらい出して録音スタジオでデモテープをつくったんです。うちのキーボードが勝手にレコード会社に送りまくったら、1週間後、返事が来たんです。「まじで?」って喜んだんだけど、そこでも別に「デビューだ」とかっていうことではなかった。その後、21歳でメジャーデビューしたときも、誰一人浮かれる輩はいませんでした。それが目標じゃないから、デビューの日もフツーでした。

――中学生のときに思い描いていた将来と現在を比べて、どれくらいギャップがありますか?

【松本】今、全部できてるんじゃないですかね。音楽でお金儲けしようというよりも、自分の親父ぐらいの年になっても、バンドやって爆発する感じでいたいなっていうのが夢だったんです。だから、実際に今、日々爆発しながら生きてるので、例えば「明日、お前死ぬよ」って神様に言われても、「ま、しょうがないかな、好きなことやってるしな」っていう感じです。

俺たちの今があるのは、いい出会いがあったから。

――プロとして続けてこられた理由は何だと思いますか?

松本素生/GOING UNDER GROUND

【松本】いい出会いがあったからだと思います。今の社長がインディーズ時代に声をかけてくれた会社の社員だったんですけど、おれらが20歳のときに会社を辞めたんです。会社辞めて、お金借りて、会社をつくって。

――そういう意味では、いままで人に恵まれたっていう実感はありますか。

【松本】ものすごいありますね。理由の7、8割がそうなんじゃないかな。
自分の友達で、すごい才能の持ち主だなと思う人でも、バイトしている人もいます。「明らかにおれよりこいつのほうがすごいんじゃないか」と思っても、実際それで食えるかといったら別の話になってくる。

――メンバー同士、お互いに気をつけていることはありますか。

【松本】うちの場合は、とにかく話す。うちは、幼なじみだったから、「いつものノリでわかるよね」ってサボったら、サボってきた分だけ、考え方の開きが出てきて、「あ、もうバンド終わるかもしれないな」と思ったときもありました。今は、週1回、3時間ミーティングですね。酒なしで朝に。最初、本音で話そうといっても、みんな黙ってたんですけど、「これ、おれが言わなくちゃしょうがないな」と思って、それを何回かやっていくと、「でも、おれはこう思ってて」みたいなことで話し合いになってきました。そしたら本当に、元に戻ってきました。全部。

中学時代は、次々に面白いことを思いついたら、手当たりしだいやったらいい

――最後に、現役中学生にメッセージをお願いします。

松本素生/GOING UNDER GROUND

【松本】とことんやったほうがいい。友達のミュージシャンと話してたんですけど、やりたいことは全部中学生のときにできると思っているんです。中学生の3年間をどういうふうに過ごしたかで、決まってくると思います。中学生は中途半端、大人でもないし子どもでもない。思いついたことを全部やったらいいと思います。
 自分は中学時代、次々に面白いことを思いついたことを手当たり次第やっていました。そこで知る以上のことって、あんまりないんじゃないかな。大人になっても感じることってたぶん一緒だろうなと思います。

ミュージシャンになりたいんだったら、人と真逆のことをやればいい。人がやってることを絶対やらないようにしていると、見えてくるものがあります。音楽を職業にするって、そういうことですよ。人と違うリスクを背負って生きていくっていうことは、人と同じじゃいけないっていうことだし、誰かが思いもよらなかったことを言わなくちゃいけないし、やらなくちゃいけない。人と同じことをしていても意味がない。

 
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