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フジハラ先生と考える 僕らの未来につながる今

第2回 どうして今から進路を考えるの?


ここでは中学生の皆さんの将来の夢や進路について、杉並区立和田中学校校長 藤原和博先生と一緒に考えます。

※ この記事は、朝日新聞社発行「中学生のためのスタディ&ライフ情報誌Hello中学生」から御提供いただいております。
※ この記事は、藤原和博氏が杉並区立和田中学校校長在任中(2005年)のものです。

進路を考えるのはまだ早い?

進路を考えるのはまだ早い?
 学校で「進路について考えよう」って言われたこと、何回かあると思う。親にも「将来を考えなきゃダメだぞ」なんて、言われたことがあるんじゃないかな。
 そこで、ちょっと考えてみて欲しい。
 キミの周りで、中学生の頃「なりたい」と思った職業に就いているオトナは、果たしてどれくらいいるだろう。
 例えば、会社で働いている人のことを考えてみよう。みんな、中学生の時から「ヨシ、あの会社で働くぞ」なんて考えていたと思う?ウ~ン、決してそうじゃないはずだ。
 特別な技術を身につけるため、若いうちからその道に進んだ人(職人など)でない限り、多くのオトナは、中学生の頃には想像もしなかった仕事をしている。
 「なんだ、それじゃ進路なんて考えても意味ないじゃん」…いやいや、そんなことはない。今から進路を考えるのには大きな意味があるんだ。

自分と世界をつなぐ それが進路を考える意味

自分と世界をつなぐ それが進路を考える意味
 そうは言っても、将来のことなんて全然イメージできない人もいるかもしれないね。
 そんな時は、1つのキーワードを手がかりに、自分の周りにどんな「職業」があるか、ちょっと調べてみよう。
 例えば、キミが毎日食べている「米」。どんな人が作っていて、栽培にはどんな道具が必要だろう?おいしい米を作るにはどんな情報や技術が必要で、できた米は何に加工されているかな?そうやって考えていくと、米ひとつとっても、農業、工業、気象情報、バイオテクノロジーなど、いろんな分野がかかわっているのがわかってくるよね。
 こんなふうに、あるひとつのことが、社会のどれくらいのことと結びついているのかをイメージし、自分と周りの世界をつなげていくことが「進路を考える」本当の意味なんだ。
 世の中の物事は、単独では存在していない。キミ自身だって家族や学校だけでなく、あらゆる場所とつながっているんだよ。
フジハラ先生のプロフィール

フジハラ先生のつぶやき

 「将来こんな仕事をするとは思わなかった…」というのが、大抵のオトナの気持ちだと思うけど、実は私もそうなんだ。10年前は、自分が中学校の校長として仕事をするなんて、まったく想像していなかった。
 今、この仕事をしているのは、それまでの仕事を通じていろんな人に出会い、成果をあげることで、自分のものの見方や身につけたことが、自然に深まり広がっていったからだと思う。ゲームで言えば「経験値が上がった」って感じかな。
 自分の経験値を上げていくには、あるチカラを鍛えていく必要があるんだ。次回は、そのことをお話しよう。

~ 「ハロー中学生」2005年6月号掲載 ~


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