~自分の「好き」から探してみよう~
「好き」で調べる
ケンカが好きという子は、好きなことを見つける余裕がないとか、好きなことが見つからないとかで、イライラしている子が多い。
なぜ人はケンカをするのか? ケンカは、怒りが基本にある。他の子を殴って気分がスカッとする子は、たいていどこかで自分が同じ目にあっているものだ。
先生から殴られていたり、先輩から殴られていたり、親から殴られていたり、あるいは殴られなくても、いつもイヤな思いをしていたり、自分に自信がまったくなかったり、そういう子が他の子を殴る。
自信を取り戻すためにはどうすればいいのか? いろいろな方法があると大人は言うかも知れない。寺に入って修行するとか、奉仕活動をするとか、受験勉強をするとか、スポーツをするとか、それらが間違っているわけではないが、子どもでも、大人でも、自分が好きではないことに熱中し、集中するのはむずかしい。イヤなことはすぐにあきるが、好きなことは、食べることや寝ることを忘れるほど熱中できるものだ。ケンカが好きで、そういった自分を変えたいと思う子は、奉仕活動なんかするより、好きなことを見つけるほうがはるかに合理的だ。
しかし広い意味でケンカはコミュニケーションの一つだと言える。本当は、いろいろと言いたいことや、思っていることがあるのだが、それを伝えることができないときに、面倒くさくなって、あるいは、伝えようとする前に怒りが爆発してしまって、ケンカになる。だから、ケンカが好きという子は、コミュニケーションに飢えているという場合がある。からだを張ってコミュニケーションしようとするわけだから、ケンカが好きな子は実は大変なエネルギーを持っていると言うこともできる。
だがそれにしても、ケンカはリスクが高い。大怪我をすることもある。ケンカは、非常にリスクの大きいコミュニケーションだ。ケンカが好きという子は、自分にエネルギーがあるということと、ケンカはリスクが大きすぎるということを、心にとめること。
ケンカが好きな子のための、参考としての職業。
(書籍「13歳のハローワーク」より)
ボディガード
「人の役に立つのが好き」を参照
スタントマン
「映画が好き」を参照
傭兵
「戦争が好き」を参照
大人になっても、どうしても、他の人と戦ったり、危険な状況に居合わせたりしないと気分が悪いという人は、上記のような職業がある。ただし、いずれも、ケンカが好きというだけで、その職業につけるほど甘いものではなく、生命のリスクがあることを忘れてはいけない。
営業
「サービスやモノを売る」を参照
経営者
ケンカは非常にリスクの高いコミュニケーションで、かつエネルギーも必要だ。だから、モノやサービスを「売る」という仕事に、そのエネルギーを活かすことができれば、成功することもある。だが、当たり前のことだが、ケンカが好きというだけで、優秀な営業や経営者になれるわけがない。
映画俳優
「映画が好き」を参照
作家
「文章が好き」を参照
映画監督
「映画が好き」を参照
昔はケンカばかりしていた、という映画俳優や作家や映画監督が確かにいる。ケンカにはエネルギーが必要で、映画俳優や作家や映画監督という仕事にはエネルギーが必要だ。だが、当たり前のことだが、ケンカが好きというだけで俳優や、小説家や映画監督になれるわけがない。
警察官
「人の役に立つのが好き」を参照
自衛隊
「職業としての自衛官」を参照
消防官
「火と炎と煙が好き」を参照
上記はいずれも治安や安全や平穏な生活を守る大切な職業だ。だが、意外にも、子どものころはよくケンカをしていたという警察官や自衛隊員や消防士は少なくない。そのくらいエネルギーを使う職業だということかも知れない。しかし、当たり前のことだが、ケンカが好きというだけで警察官や自衛隊員や消防士になれるわけがない。
教師
「人の役に立つのが好き」を参照
少年漫画には、かつて不良だった教師や、子どものころケンカが好きだったという教師がよく登場する。数は少ないが、子どものころは番長だったという教師もいる。ケンカが好きだったという教師は、ケンカが好きな子どもの気持ちがわかるかも知れない。だが、当たり前のことだが、ケンカが好きというだけで、教師にはなれない。