地質調査業(ボーリング技術者)


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地質調査業(ボーリング技術者):ボーリングイラスト ボーリング調査とは、地面に孔(あな)をあけ、地下の状態を調べる仕事。ボーリング技術者は、機長と助手が2人1組でボーリングマシンという機械を使って、土や岩そのものを取り出したり、地層の硬さを調べるなどいろいろな調査を行う。
このようにして調べた地面の下の情報は、橋やトンネルやダムを造る場所や建物を建てる場所が安全かどうかを確認するために必要。とても大切な仕事だ。
ボーリングの孔はおおむね直径10㎝ぐらい、場合によっては100mを超える深さまで調べることがある。見えない地下を調べるという魅力もある。

ボーリング調査は、市街地の中だけでなく山や海など様々な場所で行われ、常に新しい環境で仕事をすることができる。好奇心の高い人に向いた仕事といえる。
また、屋外での仕事なので、夏は暑く、冬は寒い。ある程度の体力が必要となることもあるが、数千年前、数万年前の土や岩を掘りだし直接目にして触れる事ができ、自然との対話には、ロマンがある。
ボーリング調査により、建物や大きな構造物が設計され、建物が完成したのを見るとやりがいや達成感を感じる。スカイツリーなど巨大な建造物を作るためにはボーリング調査が不可欠であり、社会や人々の生活の役に立つ重要な仕事だ。
地震や土砂崩れなどの自然災害が起こった時には、すぐに現場にかけつけ調査を行い、いち早い復旧のために活躍する。

ボーリングの機長として地質調査技士(現場調査部門)の資格を持ち働いているのは、全国で約4,000人と数少ない職業だが、自らの創意と工夫により技術を磨き、それぞれの現場で活躍している。最近では高齢化も進み、全国的に技術者が不足気味となっており、若手技術者は引く手あまたのようだ。

ボーリング技術者は最初に助手として働くことが多く、その時点では月額18~25万円程度、技術を習得し機長となれば年収400~600万円程度の収入となる。さらに、腕を磨いて調査の技術が高い技術者は、年収1,000万円以上を稼ぐこともできる。
早い人は20代で独立した機長になる場合もあり、自分の腕次第でかなりの収入を得ることができる。

地質調査会社に入り、最初は助手として現場作業を経験して知識を蓄積。地質調査技士資格を取得すると、機長として独立して現場を任されることになる。地質についての専門知識は就職して働きながら学んでいくことが多いので、特に地質についての専門的な学歴はなくてもよい。
現場では、様々な資機材を使うので機材の点検や整備が必要。機械を触ることが好きな人、興味がある人には向いている職業だといえる。

就職については、全国のボーリング調査会社、地盤調査会社、地質調査部門をコンサルタント会社などから求人募集がある。
未経験でも体を動かすことや、出かけることが好きな人、ボーリング調査技士技術者を目指すやる気のある人等は向いている。

現場に行くため自動車運転免許は持っていることが望ましい資格だ。
現場作業に必要な技能講習は、就職後に受けることができる。
また、調査現場をまかされる機長には、地質調査技士「現場調査部門」の資格が求められる。

地質調査業(ボーリング技術者):地質調査は地球を掘っている!! ボーリング調査は、岩盤調査と土質調査に大別される。
岩盤調査は、ダムや山岳トンネルの工事のための調査で、山の調査が多い。
土質調査は、ビルや橋の基礎や道路の盛土のための調査で、平野部での作業となる。
最近は再生可能エネルギーとして風力発電や地熱発電のためのボーリング調査も増えている。これからの地球環境のためにも必要な仕事だ。
東日本大震災のような海溝型の大地震の調査のために、海の上から数千メートルのボーリングをすることもある。高度なボーリング技術が必要となる。
地球上で一番深い孔は、ロシアのコラ半島の12,262mのボーリング孔。

地質調査のボーリング技術者は、地面の中を調べることで多くの人々の生活や経済に貢献する重要な仕事をしている。地質調査はビルや構造物の設計・工事には必ず必要なので、将来的にも仕事がなくなることはない。
オフィスでの事務仕事と違って、ボーリング調査は現場の仕事だ。現場での創意工夫が重要で、ちょっとしたアイデアで現場の効率や品質の改善につながるので、あなたのアイデアや個性が生かせる仕事でもある。
また、街中だけでなく、山や川、海など自然の中で行うことも多く、仕事に合わせて自分の趣味を楽しんでいる人もいる。

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