建設コンサルタント
<< 編集部の職業解説 >>
建設コンサルタントとは、道路や橋、河川、鉄道、空港、まちづくりなどの事業に関する、調査や計画、設計を行う仕事である。実は、ビルなどの建物以外の設計は、建築士ではなく、建設コンサルタントが設計を行っているのだ。
調査分野は測量調査、地質調査、環境調査などがあり、事業の実現性や採算性を図るための事前調査や、設計に必要となる詳細な調査を行う。計画分野は事前調査をもとに計算や作図により事業の計画をより具体的にしていくための作業を行う。設計分野は実際に工事で必要になる設計図を作ったり、材料を計算したり、工事の費用を計算したりして、工事に必要な取りまとめを行う。実際の工事は、建設コンサルタントの設計図をもとに建設業者により行われる。
建設コンサルタントの活躍の場は国内に限らず、鉄道やダム、橋などが必要な場所があれば世界のあらゆる国が対象となる。
仕事の特徴として調査分野は現場作業が多くなるため、野外作業が好きな人や体力に自信のある人におすすめである。計画分野はゼロからモノを生み出すこともあり、分析や計算に自信のある人や想像力・説明力・交渉力に自信のある人におすすめである。設計分野は図面作成や材料計算で細かな作業が多くなるため、作図や計算に自信のある人におすすめである。
最近ではワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、「ノー残業デー」「育児・介護支援」「休暇取得の促進」「労働時間の短縮」「フレックスタイム制」等の施策が進められている。
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建設コンサルタントの仕事は、国や地方自治体が発注する公共事業が多く、みんなの暮らしに役立つ、社会から求められる仕事が多い。自分の設計したものが形になり、社会インフラとして半永久的に人々の生活を支えることができる。
高度経済成長期に建設された社会インフラは50年近く経過しているものも多くあるため老朽化が進み、点検や維持管理、更新など、建設コンサルタントの仕事は今後ますます重要性を増してくるだろう。2020年には東京オリンピックの開催が予定されており、新たな需要も生まれている。公共事業を扱う建設コンサルタントの仕事は尽きることがない。
平均的な初任給は22.5万円(月額)~。
基本給のほか、資格手当なども支給される。
また、建設コンサルタントの平均年収は630万円。
建設コンサルタントの仕事は、道路、河川・砂防、土質・地盤、鉄道、都市デザイン、環境アセスメントなど多岐にわたる。
そのため、大学等では、構造力学、水理学、土質力学、都市デザイン工学、景観工学など建設コンサルタントに必要な広範囲の基礎知識を学ぶ。
就職してからは、専門とする分野を中心に見識を拡げていくことになる。
コンサルタント会社の中には、機械工学や電気工学を学び設備設計をする人、一級建築士の資格を取得し建築設計をする人などもいる。そういった専門家が集まり、建設コンサルタントが成り立っている。したがって、まずは自分の興味関心がある分野の専門家を目指すのが一番の近道かもしれない。
土木工学、建設工学、衛生工学、都市環境工学、環境建設工学、環境都市工学、環境科学工学、生物資源工学、地域環境工学などが学べる大学、専修学校(専門学校)がおすすめ。
また、JABEEに認定されている学校学部を卒業すると、「技術士補」の資格を登録することができ、仕事での活躍の場が広がる。
建設コンサルタントに関わる資格は、その分野で数年の経験を積んではじめて受験できる資格がほとんどである。
その代表的な資格として、文部科学省が認定する「技術士」や建設コンサルタンツ協会が認定する「シビルコンサルティングマネージャー(RCCM)」がある。
建設コンサルタントの仕事は多岐にわたるため、調査・設計・計画を行う上で欠かせない測量や地質調査、環境調査などに関連する資格も、場合によっては必要となる。
建設コンサルタントは、みんなの暮らしに役立つ、社会から求められる仕事です。自分の設計したものが形になり、社会インフラとして人々の生活を支えることができるやりがいのある仕事です。
建設コンサルタンツ協会では、様々なイベントや研究発表会、広報活動を行っており、業界の活性化に貢献しています。興味のある方は、ぜひ私たちのホームページにアクセスしてみてください。
- 公益社団法人 土木学会
- 一般社団法人 建設コンサルタンツ協会
- 建設コンサルタントCM総選挙結果発表(近畿)
- 土木女子!
- 国土交通省 国土交通白書
- 建設コンサルタント白書
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