大道具
<< 編集部の職業解説 >>
映画やテレビ、舞台で使う、作りものの家屋や置物、背景などを作る。また、シーンに応じてセットを回転させるのも、タレントがスタジオに登場するときにカーテンを開くのも、さらに紙吹雪を降らせるのも、大道具の仕事である。
一概に大道具といっても、その内容はさまざま。家屋などをつくる大工仕事をする人、建物や壁などを色づけする前に、色づけしやすいように和紙を張る人、そして塗る人、背景の風景画を描く人、セットを回転させたり扉を開けたりする人など、作業は分担して行っている。
大道具の仕事は職人の世界で、一人前になるのに、10年かかるとか、15年かかるとか言われている。撮影は深夜に及ぶこともあれば、舞台は休みなく何カ月か連続で上演することもあり、労働時間が長く、休みが不定期であるのが現状だ。それを乗り切るには、この仕事が「好き」であることに加えて、根気が大事だ。
ものづくりには、正解がない。だからこそ、自分が作ったセットの出来具合が、満足できるレベルのものに仕上がったときは、うれしい。また、経験を積むにしたがって完成度も上がるが、その探求に終わりはない。それが大変である反面、ブレイクスルーしたときには大きな喜びとさらなる自信が得られる。
テレビのセットであれば、自分が作った制作物を多くの人に見てもらえるのは、完成度の追求とはまた別の意味で、うれしいものだ。
大道具の仕事に就くのに、とくに高い学歴は求められていないため、高校卒業後、劇場運営会社や美術制作会社に就職して現場で経験を積むのが、最短の道といえよう。
しっかり準備して就職したいのであれば、美術系の大学・短大や、放送や映画関連の専門学校で、必要な知識および技術を身に付けることができる。
なお、募集は不定期かつ随時という会社が多いため、学校の就職相談窓口に聞くだけでなく、希望する会社のホームページをまめにチェックするか、直接電話やメールで問い合わせるのがよい。
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