建築設備技術者
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私たちが生活している建物を便利で快適に機能させているのが建築設備です。
皆さんが過ごす学校やレストランなど身近で様々なところに備わっています。
照明は電気の力で発光し、勉強に集中したり、安心してくつろげる明るい部屋を作ります。
給湯器具は水道水をガスの炎で温めてお湯を作り、温かいお風呂に入ることができます。
エアコンは部屋の空気を暖めたり、冷やしたりして、いつでも快適な温度で過ごすことができます。
アンテナでテレビの電波を受信したり、通信線でインターネットにつながることで、テレビ番組や世界中の動画コンテンツを見ることができます。
スタジアムや映画館では、ダイナミックな音や映像が、ワクワクする体験を与えてくれます。
火災や停電が起きても、安全に避難や消火ができる防災設備も備えられています。
建築設備技術者は、建物を使う人、作る人と話しながら、建築設備を設計したり、実際に作ったりする仕事です。便利で快適な建物を作るにはたくさんの工夫が必要です。建物が出来上がって、それを喜んでもらえた時には、とても嬉しいものです。
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建築設備はSDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けて、役に立っています。
太陽光発電などで電気を作ったり、エネルギーを効率的に使う建物を作れば建物から排出される二酸化炭素が少なくなり、温暖化による気候変動を抑えることができます。
建物から出される空気、水や騒音が、周りの環境を汚したり不快にしないように気を配り、みんなが長く住み続けられる街を作っています。
建築設備技術者は、人や街そして地球のために働く、大きなやりがいのある仕事です。
大学、高校や専門学校で建築や設備に関わる分野を学ぶことが就職、資格取得の近道になります。
【関わりの深い学科】
建築工学、環境工学、電気工学、機械工学、化学工学など
【参考サイト】
建築設備を研究する大学研究室の紹介
建築設備に関わる就職先を大別すると以下のようになります。企業で経験や実績を積んでから、自分で事務所を開設する人もいます。
【主な就職先】
設計事務所、コンサルタント、建設業、設備工事業、不動産業、公益事業(インフラ)、ビル管理業、官公庁、学校、機械メーカーなど
建築設備には、資格を持った人にしかできない仕事があります。資格を取ることで専門知識を身に付け、仕事の幅を広げることができます。
【主な資格】
建築設備士、設備設計一級建築士、技術士(部門:電気・電子、衛生工学、環境、機械など)、施工管理技士(電気工事・管工事など)、エネルギー管理士、消防設備士
「建築設備は、建物の中や外で、皆さんが安全にそして快適にすごすために、なくてはならない働きをしています。私たちの身の回りを見ると、とても便利で豊かになりましたが、環境やエネルギーの問題をはじめ多くの課題が残されています。建築設備は、いろいろな分野の新しい技術が生まれ、多くの人たちが課題の解決に貢献しています。
建築設備にかかわる資格に建築設備士があります。高度化、複雑化した空調、換気、給排水衛生、電気などの建築設備全般に関する知識および技能に加え、省エネルギー化、地球環境問題、長寿命化、リニューアル、建物のゼロエネルギー化などの新しい、幅広い技術に精通したスペシャリストです。建築設備の設計や施工をはじめ、完成後のメンテナンスや使い方のアドバイス、災害に強く環境にやさしい建物や街づくりなどの様々な分野で活躍しています。」
- 一社)電気設備学会
- 一社)日本電設工業協会
- 公社)空気調和・衛生工学会
- 一社)建築設備技術者協会
建築設備を研究する大学研究室の紹介 - 一社)建築設備技術者協会
設備女子会 - 一社)日本空調衛生工事業協会
- 一社)日本設備設計事務所協会
- 一社)日本冷凍空調工業会
- 一社)建築設備綜合協会
- 公社)建築技術教育普及センター
- 公社)ロングライフビル推進協会
- 公社)全国ビルメンテナンス協会
- 公社)日本技術士会
【特集:中・高校生に送る業界特集】生活空間と街をつくる - 総合建設業の仕事
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