小学校教師
<< 書籍「13歳のハローワーク」の職業解説 >>
小学校教員養成課程のある大学などで、小学校で教える9科目すべてにわたる教科専門科目と、教育学と心理学に基づいた教職専門科目から構成される単位を修め、小学校教員免許を取得する。その後、公立の場合は、各都道府県や政令指定都市による教員採用試験を受験し、合格後採用候補者名簿に名前が載り欠員状況によって採用が決まる。私立の場合は教員免許を取得後、各校の教育方針や校風にふさわしい人材を求めて、独自の採用が行われる。試験には、一般教養などの筆記試験はもちろん、水泳やピアノの伴奏などの実技も含まれる。現在、少子化の影響で学級数が減っていることもあり、かなりの狭き門となっている。教師は、小学生にとって親に次ぐ身近な大人であり、知識以外の面においてもさまざまな影響を子供たちに与えることになるため、ただ単に子供が好きというだけでなく、子供と共に成長しようという心構えが必要である。
<< 編集部の職業解説 >>
小学校教諭の大きな特徴は、原則として一人ですべての教科を教えること。体育や音楽などに専門の教諭を置く学校もあるが、小学校教諭の免許を取得するには、小学校で教える全教科の専門単位を大学で修得しなければならない。もちろん勉強の教え方が重要なのは言うまでもないが、義務教育の最初の段階として、子どもたちに社会のルールやマナーなどを学ばせ、集団生活になじませる指導力が欠かせない仕事だ。また、遠足や運動会などの学校行事やPTAの参加、家庭訪問、教員研修会もあり、かなり多忙な仕事である。 かつては教員免許を取得すれば就職はさほど難しくない時代もあったが、年々進む少子化の影響からくる採用人数の減少や、公務員人気などで、教員採用倍率は3~20倍とかなりの狭き門となっている。日本の小学校教育は1872年(明治5年)にスタートして以来、成長期児童の基礎教育を担ってきました。少子化の流れを受け、小学校に通う児童数は1981年の約1200万人から現在の約720万人にまで減少(※1)。それに伴い教員数も減少しましたが、少人数教育、ティームティーチング(※2)、専門教員の配置など教員確保の必要性からここ数年は横ばいが続いています。
※1『文部科学白書2004』より
※2 ひとりの先生だけがすべての授業を担当するのではなく、複数の先生が役割分担をして授業を進めていくやり方。
2004年度時点の小学校教員数は全国で41万4908人。同時期の小学校の生徒数は720万933人であることから、生徒17.4人に対して先生1人という割合です。ちなみに、小学校教員の男女比は3.7対6.3で、女性の先生の方がかなり多い。(※3)
※3『文部科学白書2004』文部科学省より
◆全自治体の小・中学校教育職の平均月給は39万5036円(平均年齢43.2歳)※1
◆小学校教師の平均年収は、公立で約746万円、私立で約790万円。(※2)
※1『平成16年 地方公務員給与の実態』地方公務員給与制度研究会より
※2『週刊ダイヤモンド(2005年11月5日号)』ダイヤモンド社よりp37
勤務地、経験年数などにより大きく異なります。
2012年度時点で全国に小学校は2万1460校ありますが、そのうち99%は公立の学校で残りが国立と私立の学校。公立小学校に勤務する教員の給料は各自治体の公務員給与規定に従います。
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