外交官


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国家を代表してほかの国々とさまざまな交渉をする。具体的には条約の締結など外 交交渉を行うほか、その国の情報の収集や分析、日本の情報の発信などを行う。基本 的には外務省の職員で、採用試験として国家公務員I種試験か、外務省が独自に行 う外務専門職員試験に合格する必要がある。外務専門職員は特定の地域や分野につ いての専門職的な傾向が強い。採用後は研修をへて、外国の日本大使館での勤務と本 省勤務を数年ごとに繰り返すことが多い。外務省改革の一環として民間人の大使起用 を大幅に増やすことなどがうたわれているが、実現するかどうかはわからない。

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外務公務員のうち、大使館や領事館に勤務する人を外交官という。仕事の内容は「駐在国の様々な情報を収集して日本の本省に報告すること」「当該国政府との協議や交渉及びそのための下準備、晩餐会などのイベントを開催したり、相手国が主催する行事に参加したりして両国の友好を深めること」など。世界各国には日本の大使館や総領事館、領事館、政府代表部などの在外公館が約190か所ある。大使や公使の平素の業務は日本国を代表して外交に当たることであり、それ以外の外交職員の仕事は外交事務が大半となる。長期間に渡ってその国で生活することになるので、その国の公用語を使用して日常生活を送ることが可能なレベルの語学力は必須である。また、その国の社会や歴史も理解することで、さらに深い交流ができ、外交官の働きで日本をその国にアピールできることだろう。

大使館、総領事館、領事館、政府代表部など世界各地にある189の在外公館には全部で約3200人の外務省職員が働いています。また、国内の外務本省では約2100人の職員が働いています。

※1 外務省ホームページより

外交官の給与は国家公務員給与規定に基づいて支給されます。初任給は20万円そこそこですが、在外勤務になった場合、基本給や諸手当に加えて収入の大きな柱となるのが「在勤基本手当」。政情不安や職務の困難な国ほど高く支給され、この手当だけで年間数百万円から1000万円近くになる場合もあります(※1)。不祥事や高給批判で外交官の給与が引き下げられたとはいえ、主要8カ国(G8)や中国の駐在大使の年収は3000万円前後にのぼります。(※2)

※1『あの人の年収がズバリ!わかる本』KAWADE夢文庫よりp38
※2『あなたの値段 当世給料事情』毎日新聞社よりp99

外交官として活躍するには通常、「国家公務員採用I種試験」に合格したうえで外務省に入省します。難関のI種試験をパスし外務省から採用の内定が出るのが毎年20人程度という狭き門です。このほか、語学や特定地域の専門家としての活躍を期待され「外務省専門職員採用試験」に合格することで入省する方法もあります。2005年度試験の全科目受験者数は499人、最終合格者数は50人でした。

国家公務員採用I種試験によって採用された外務省職員は、入省3年目から語学学習のために2~3年間の在外研修に出ます。研修終了後は、研修を受けた国の在外公館の館務につくか、そのほかの在外公館に転勤となるか、または本省に戻って勤務することになります。その後は、概ね4~8年ごとに本省勤務と在外勤務をくり返し、能力や勤務成績に応じて昇進し、将来は幹部職員となることが期待されます。(※1)

※1 外務省ホームページより

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