大工


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大工差金(さしがね=曲尺)、墨壺と墨さし、鉋(かんな)、鑿(のみ)、鋸(のこぎり)などの七つ道具を使い、木造建築の施工を行う。長い伝統を持った職業であるが、建設機械やITの発達によるCAD設計図面など、大工の仕事は急速に変化を遂げている。求められる建築もバリアフリーや耐震構造、断熱材の使用、シックハウスの回避など、ライフスタイルや環境の変化による影響を受けている。建設会社や工務店に就職するか、親方と呼ばれる大工の棟梁に弟子入りをするのが一般的で、一人前になるには建築大工技能士の国家資格が必要。近年はハウスメーカーによる住居が増えているが、実際の施工は大工の手によるところが多く、新建材や新技術も学ばざるを得ないのが現状だ。ただ、手刻みのホゾ加工などの基本技法は、技術の差によって仕上がりに大きく差が出るため、高い技術を持った大工は重宝され、それに見合った収入が得られる。また、近年では自然の風合いを持った木材が再評価されており、在来工法の木造建築の人気も高く、増改築の需要も増えている。住を担う重要な職業で、今後も一定の需要が見込まれる。

<< 編集部の職業解説 >>

建築業に関わる職業として、大工やとび、左官という仕事がある。さらに大工も建築大工、型枠大工に大別される。一般的に「大工さん」と呼ばれているのは建築大工で、住宅などの木造建築において、柱や棟や梁などを作るのが仕事。型枠大工は、鉄骨コンクリート構造や鉄筋コンクリート構造の建築物などにおいて、コンクリートを流し込む際の型枠を組み立てる作業を行うのだが、コンクリート建築が登場した当初は建築大工が型枠作業を行っていたため、現在でも建築大工と型枠大工を兼ねている人が多い。屋外での仕事が多いため、何より体が丈夫なのが大切。

現在大工として働いている人の正確な数は不明ですが、2000年の国勢調査の時点で64万6767人が大工として働いていました。

◆民営の事業所で働く大工(調査時平均年齢46.7歳)の現金給与日額は1万3830円。(※1)
◆見習いで工務店に入って日給1万円~、ある程度腕が認められて2万円。腕のいい大工の場合、月収70~80万円、年収にして1000万円になることも。(※2)

※1「屋外労働者職種別賃金調査 平成16年」厚生労働省より
※2『これが年収だ!!』長崎出版よりp111

学校卒業後、建設会社や工務店に就職するか、知人の紹介等で棟梁に弟子入りし見習いとして働き始めるのが一般的。専門学校や職業訓練校の建築大工科などで知識や技術を身に付けることもできます。必ずしも資格は必要ありませんが、「建築大工技能士」は一定の能力を示す証しとなります。取得するには実務経験などの受験資格を満たした上で厚生労働省が定める技能検定に合格する必要があります。また、規模の大きい木造住宅の設計や工事管理まで行うには2級建築士や木造建築士の資格が必要です。

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一般に大工の親方を指す「棟梁」とは、家の構造上重要な「棟」(むね:屋根の一番高い部分)と「梁」(はり:屋根や建物を支えるよう横に渡した木材)からできた言葉。建築現場には、大工のほか、とび職、左官、板金工、建具工、内装、電気、水道などさまざまな仕事に関わる職人が出入りします。棟梁は、これら職人をまとめ、工事が計画通り進むよう管理、監督する役割も果たすのです。

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