農業
<< 書籍「13歳のハローワーク」の職業解説 >>
最近は会社をやめて新規農業者になる人も増え始め、人気の業種となりつつあるが、それなりの覚悟と計画性がなくては成功するのはむずかしい。独立して農業経営者になるには、土地・労働力・資本が必要である。自分がどのような農業をしたいのかがはっきりしていなければ、経営はできないと考えたほうがいい。また地域社会に関わることが多いので、その土地の慣習を理解し参加しようという意識がなくてはならない。農業は経営するほかに、企業形式の農業生産法人に就職するという手もある。経験があまり問われず、働きながら技術を習得することができるため、組織で働くことに抵抗がない人、経営する資金や経験が足りない人にはおすすめである。農業は自然と向き合い、災害に左右されたり、努力だけではままならないことも多いので、とにかく前向きでおおらかな人が向いている。なお農作物をつくっているというだけで、農業を成り立たせるのは難しい状況にある。収穫した農産物を加工し付加価値をつけるなど、多面的な戦略が必要だ。以下、生産物の種類を紹介する。
米
稲作だけで生計を立てるにはまとまった土地が必要。そのため新規参入はなかなか資金的にも困難だ。また独自の栽培法と販売ルートを開拓することができれば、消費者に直接販売するという形もとることができる。
野菜
種類によって必要な設備や資金が違う。何をどこで作るのかが大きなポイントになってくる。流行や輸入野菜の動向・出荷のタイミングで価格が変動する。有機農業や薬草などを専門で行っているところもある。ハーブ園やレストランを合わせて経営するなど、多面的な展開も考えやすい。
花
花を作ることを花卉(かき)栽培という。景気の変動や流行に左右されやすいこと、品質による価格の違いが大きいため、マーケットリサーチや品種改良などが必要。研究することが好きな人におすすめといえるだろう。
果樹
土地や気候などの条件に左右されるところが大きく、ほかの作物への転換も難しい。また苗木が育って収穫できるようになるまで数年はかかる。そのため最低10年の長期的な展望を持って計画を立てる必要がある。収穫できるようになるまではほかの作物を組み合わせて栽培する、兼業、放置されたままの果樹園を借りて経営するなどの手がある。
<< 編集部の職業解説 >>
日本だけでなく、世界中のどこへ行っても通用する、食に関する重要な仕事のひとつに農業が挙げられる。米、麦などの穀物をはじめ、野菜・果樹栽培、(※)花卉(カキ)栽培、養豚・養鶏等の畜産など、さまざまなジャンルがあり、食と綿密に結びつく仕事が農業だ。現代の農業は機械化が進んでいるとは言うものの、どのジャンルにおいても過酷な肉体労働と、自然が相手のため農作物などに対する細やかな神経が必要なのは言うまでもない。 (※)花卉(カキ)=観賞用に栽培する植物2004年時点における農家の総戸数は293万戸で、そのうち主業農家(農業所得が農外所得より多く、年間60日以上農業に従事している65歳未満の人がいる農家)は43万戸となっています。基幹的農業従事者(主に農業の仕事に従事している人)は220万人で、2000年と比べて8.5%減少しています。また、基幹的農業従事者のうち女性が占める割合は46%と高く、わが国の農業において女性は重要な役割を果たしています。(※1)
※1 『平成16年度 食料・農村・農業白書』農林水産省より
【大人に聞く】近くにJA大阪とかって書いてる看板が立っている・・・うさぎの耳さん/インテリア
農林水産省の調査(※1)によると、2004年の全国主業農家1戸あたりの農業所得は438万円、農外所得や年金などを含む総所得は573万円。
※1「農業経営統計調査」農林水産省
【大人に聞く】農業でも、慣行農業と有機農業ではまったく異な・・・脱サラっぽい百姓さん/農業
【大人に聞く】スーパーやデパ地下へ行って所謂“生産者の顔・・・うさぎの耳さん/インテリア
【大人に聞く】各都道府県には、普及指導センターというものが・・・呟き尾形 さん/[農業]花卉生産
【大人に聞く】農業人口の8割が60代に突入するのは、もう近い・・・オーガニックさん/有機農業でお米と牛肉生産
13hwに登録されている「仕事白書」から「農業」に関連する白書をPICK UP!
- 脱サラっぽい百姓さん[農業]
- オーガニックさん[有機農業でお米と牛肉生産]
- 呟き尾形さん[花卉生産]
- リカルドさん[農業]
2003年の新規就農者数は約8万人で、そのうち新規就農青年(新規学卒者および39歳以下の離職就農者)は約1万2000人となっています(※1)。土地や資金、技術を持たない一般人がゼロから農業経営を行うことは困難ですが、国や自治体による就農支援制度が充実するなか、企業的な経営を行う農業法人に就職するなど、農家出身者でない若者が農業を始めるケースが増えています。
※1 『平成16年度 食料・農村・農業白書』農林水産省より
【特集:13歳が20歳になるころには】環境-21世紀のビッグビジネス
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