歌手


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人類史の中で、歌手とダンサーはもっとも古い職業の1つかもしれない。わたしたちは、楽しいときやうれしいとき、あるいは悲しいときや寂しいときに、思わず歌を口ずさむことがある。歌はもっとも根元的な感情の表現で、プロの歌手は、演歌、歌謡曲、ジャズ、ラテン、ロックといったジャンルを問わず、わたしたちをその声と歌唱力で、いやしたり、勇気づけたりする。歌唱力は学校で訓練すれば上達するが、声は、まさしく天性のもので、誰もが歌手になれるわけではない。自ら望んで歌手になる人よりも、周囲がそのすばらしい声に気づいて、歌手になることをすすめることが多い。もちろん音楽的な素養も大切だが、多くの人を魅了する天性の声を持っているかどうかのほうが重要である。

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バンドで歌唱を担当する場合は「ボーカリスト」、ソロアーティストの場合は一般に「歌手」と呼ばれる。歌手にとっては自分の肉体そのものが楽器のような物であり、高い心肺機能や強靱な声帯がなければ務まらない。また複式呼吸法や発声などのボイストレーニングも必須で、これらの素養・技能の上に、表現力や歌唱力が備わって、アーティストとして活躍することができるのである。 ボーカリストにとってはノドは命のため、睡眠を多くとるとも言われている。

現在、活動している歌手の正確な人数は不明ですが、日本レコード協会に加盟するレコード会社から2004年にデビューした歌手の数は340人でした。過去10年間にデビュー(再デビュー含む)した歌手の合計は2483人にのぼります。ちなみに、2004年に発売されたCDシングルの新譜は、邦盤の歌謡曲(演歌含む)だけで2243タイトルとなっています。(※1)

※1 日本レコード協会ホームページより

ケースによって収入は異なりますが、プロダクションに所属する場合は月給制か歩合制。新人のうちは月10~25万円程度の収入からスタートし、売れっ子になれば倍増します。自分で作曲して歌うシンガーソングライターの場合は、作詞作曲などの印税も入るため、ヒット曲を出すことができれば高収入が期待できます。(※1)

※1『つくにはBOOKS No.9 2006年版』さんぽうよりp12

歌手になるための王道はありませんが、テレビ局やレコード会社が開催するオーディションやコンテストに参加する、レコード会社などにデモテープを持ち込む、ライブ活動などを通じてスカウトされるなどの方法が考えられます。ボーカリスト養成コースを持つ専門学校や音楽大学の声楽科、芸能プロダクションやレコード会社が経営するミュージックスクールなどでトレーニングを積む方法もあります。ただし、いずれにしろ、デビューできる、またはデビュー後職業として成り立たせられるという人はほんの一握りです。

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