保健師


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市町村役場や地域の保健所、保健センターなどに勤め、住民の健康を守り、促進することに努める。相手は、赤ちゃんからお年寄りまであらゆる年齢層にわたっており、それぞれの人の生活や健康状態を聞きながら、適切な措置やアドバイスをしていく。そのため、保健師として働くためには、幅広い知識や視野、あたたかい人間性、しっかりした体力と精神力が欠かせない。以前は「保健婦」という名前で知られていた職業。1993年に保健婦助産婦看護婦法が改正され、男性もこの仕事につけるようになったが、2002年からは「保健師」という名称に統一された。保健師は国家資格のひとつ。受験にあたっては看護師免許(もしくは看護師国家試験受験資格)が必要なので、看護師養成機関で学んだうえ、保健師養成学校で学ぶか、看護師と保健師のカリキュラムをそなえている看護系の4年制大学で学び、試験を受ける。また保健師の資格を取得すると、養護教諭(2級)の資格も申請するだけで取得できる。(※1)

※1 編集部注:現在は制度が改定されている。養護教諭の仕事も教育的要素が大きくなっていることなどから、養成校などで教育職員免許法で定められた単位を修得する必要がある。

<< 編集部の職業解説 >>

地域の人々が健康的な生活を送れるように、市区町村の保健センターなどで、生活に密着した健康指導を行い、疾病予防と健康維持のために保健活動するのが保健師である。乳幼児から高齢者まで地域住民全員を対象に幅広い健康指導を行うため、様々な知識が必要。かつては家庭向けの結核予防や母子保健活動などが中心であったが、現在では成人病対策、エイズ予防、高齢者の在宅ケアなど、活動の範囲が大きく広がってきている。また医師や看護師と連携する医療活動だけでなく、介護福祉士や理学・作業療法士、ケースワーカーや栄養士などと一体となっての総合的な保健活動も行われている。保健師として活動するためには厚生労働大臣による国家資格が必要となる。

2004年末時点で、実際に就業している保健師の数は3万9195人になります。そのうち2万2313人が保健センターなどの「市町村」(56.9%)、7635人(19.5%)が「保健所」に勤務しています。年代別にみると、「25~29歳」が17.0%、「30~34歳」が16.9%を占めています。ここ数年の推移をみると、「40~44歳」が増加し、「25歳未満」は減少傾向を示しています。(※1)

※1「平成16年保健・衛生行政業務報告」厚生労働省より

◆東京都の場合、2004年時点の初任給は約21万4400円と看護師よりやや高い程度。(※1)

※1『好きな仕事実現シリーズ 医療の仕事』学習研究社よりp100
勤務先、経験年数、雇用形態などにより大きく異なります。

保健師として働くためには、看護師免許取得後、保健師養成所を卒業するなどの受験資格を満たした上で「保健師国家試験」に合格する必要があります。第91回(2005年)試験の受験者数は9134人、合格者は7440人、合格率は81.5%でした。

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保健師の勤務場所としてもっとも多いのが保健センターと保健所です。保健センターとは、市町村が設置し、健康相談、保健指導、健康診査など、住民に身近な保健サービス(第一次予防)を行う施設です。一方、保健所は、都道府県、政令指定都市、中核市や特別区などに設置され、広域的・専門的な保健サービス(第二次予防)を行う施設という位置づけです。

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