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回答・コメントする(No.6059)
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哲学を勉強したい
[Q] わたしは今、高校2年生です。
哲学や倫理学に興味があって、大学は哲学科か倫理学科
に行きたいと思っています。
しかし哲学は就職とはあまり結びつかないので
親には反対されています。
たしかに哲学は、どんなことを勉強していても、
もっと言えば、生きているだけで学べるものであるとも思います。
そこで、大学で哲学を勉強している方、勉強していた方、
大学で哲学を4年間勉強して、良かったと思われますか?
また、今はどんな仕事をしていらっしゃいますか?
ひろかさん、こんにちは。
通りすがりの学芸員です。
私は大学生のとき、一般教養の講義で哲学と倫理学を学びました。
このとき習った内容は、とても興味を持てるものではありませんでした。
その後、紆余曲折を経て、自然科学系の博物館に就職し、資料収集や調査研究、展示や教育普及などを行っています。
仕事をはじめた頃はあまり深く考えることがなかったのですが、時が経つに連れて自分のなかに大きな疑問が生じてきました。それは「人はなぜ自然を破壊するのだろう」ということです。しかも破壊しながらその一方で、「人のため、自然のため」と言うのです。しかもこれらの問題は、時として人対人だけではなく、国家レベルでの対立という構造も作り出してしまいます。多くは県や市町村といった行政組織と住民との対立でしょう。
このような疑問を解決しようとするときに最も必要なのは、科学的な方法論ではなくていかに物事の関係を解きほぐすか、ということです。そしてそういった場合の多くは、人々の思想や歴史、宗教、行政組織との関係といった地域固有の事情、人々を取り巻く様々な物との関係性から眺めて行く必要があります。
こうしたことを学ぶ学問は何か、と考えると、それは哲学であり、倫理学だと私は思います。
親御さんが持っている哲学や倫理学のイメージは、私が最初に述べた一般教養としてのレベルの学問であって、哲学や倫理学の持つ学問的広がりのほんの入り口のあたりでしょう。
現代社会にはローカルな環境問題から国家間レベルで解決すべき紛争まで、ありとあらゆる問題が山積みです。そういった現場で有効な解決方法を探るために、哲学的・倫理学的思考が求められていると私は考えています。
どんな分野の勉強をしたところで、目的意識が明確でなければ親御さんが安心するよう仕事には就けないと思います。色々な人々の意見を参考にしながら、大学で学ぶ哲学や倫理学の先に開けている「場」を具体的にイメージしてはどうでしょう。
ちなみに、私がここに記したような環境問題における哲学は、そのまま「環境哲学」という学問領域で研究されています。日本では東工大の価値システム専攻(valdes)などで、社会との関わりという観点で深く学ぶことができると思います。東工大にあるあたり、哲学や倫理学はすでに文系から脱却していると言えるし、少なくとも中途半端な大学でつまらない勉強をするよりも、十分に将来性はあると思います。
こんにちは。残念ながら、あなたの指定する条件には当てはまらないのですが、門外漢なりにヒントを書いておきますので、よかったら参考にしてみてください。
北欧のある国では、哲学を21世紀にもっとも重要な学問として重視しており、教育予算のかなりの額を哲学の振興に使うという話があるようです。こういうことができる国こそが、本当に豊かな国なのだと私は思います。
哲学は、人文科学系ではほとんど唯一と言っていい、純粋科学を扱う学問です。純粋科学が難しければ、「お金もうけとは無関係な学問」と思ってもらって、中学生のうちは問題ありません。
また、今私達が目にする学問全ての基礎にもなっています。門外漢としてはどう紹介すればいいか迷うのですが、「私がここにいるのはどうして? その前に、ここにいるってどういう意味?」なんてことを真剣に考える学問は、哲学の他にありません。哲学者がこういうことを考えてくれたからこそ、物理学や数学が発達し、文学が育まれ、法律が生まれていったのです。特に、現在の最先端の物理学は、もはや哲学とたいして変わらないことを扱っており、哲学者の思想が物理学に大きな影響を与えていることは、意識していいでしょう。
哲学を学ぶということは、人生にとってもっとも贅沢な時間の使い方の一つです。
一方で、この学問はあまりにも贅沢すぎるので、世の中の普段の仕事には接点が少ない、という点は否定できないでしょう。研究者にならなければ、出版社を別にすると、哲学の専門知識をすぐに活かせる民間産業は多くありません。私が学生の頃、古代文化に詳しいという触れ込みで大手旅行会社に就職した知り合いがいましたが、これはちょっと特殊。あなたの親御さんはこの点を心配されているのだと思います。これはこれで大事なことです。
ただ、哲学の視点から物事を捉えるという思考プロセス自体は、これからの世の中で重要な役割を果たすことは間違いないでしょう。そういう先見があるから、最初に述べたような国もあるのです。人文科学とは言いながら、数学や物理学との関わりが極めて深い学問であり、講座によってはこうしたいわゆる理系の研究も積極的に行っているようです。
あなたが、例えば古代ギリシャ辺りの昔の哲学に興味があるのか、または意識の存在と時空の不可逆性の意味といった最先端の哲学に興味があるのかで、進む道は大きく変わるでしょう。もっとも、中学生の間は、そんなこと気にしなくてかまいません。せっかくすばらしい学問に興味があるのですから、今理解できることを楽しく学んでほしいと思います。大学を選ぶ時期が来た時に、改めて自分の興味と向き合ってもらえれば、将来の姿が見えてくると思います。
哲学出身じゃないですが、知り合いに二人ぐらいいましたよ。
上智の哲学科出身と、早稲田の哲学科だったかなー。
僕の知り合いはWeb系なので、あまり学歴と関係ない世界だったりしますね。
ただし片方は新卒でソニーでした。確か。文書作成系の仕事でしたね。
この経験だけで言うと、新卒採用については、本人の頭がよければ就職は
困らないってことだと思うのと、あえて就職が不利だといわれる学科を
目指すのであればその分野でトップレベルの大学にいくと良いでしょう。
ナンバーワンというのは何事にも強いです。
おそらく哲学化で重要なのは、文章力や論理的な考え方のあたりで、そこを
行かせる仕事につくと良いと思います。古くはエディトリアル系であり、
今ならWeb系かもしれません。
文系就職の定番と言えば、総合職の営業/企画職だと思いますが、そもそも
性格が向かないんじゃないですか?(偏見)
しかし経済学部を出たからと言って経済の専門性で採用されるわけでは
ありませんので(シンクタンクに行くとかなら別でしょうが)、あまり
気にしなくていいんじゃないですかね。あとは文系の方にお任せします。
一番最悪なのは就職を気にしてつまらない大学、自分に合わない学科に
行くことですね。
シラバスを見て絶対後悔しますし、それが一番、満足いく就職から
遠ざかることだと思います。