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回答・コメントする(No.3503)
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ピアノ制作職人へ弟子入り
[Q] 私はピアノを制作する職人になりたいです。
家にあるピアノがドイツ製なのもあり、高校を卒業後、単身ドイツに渡り、ピアノ工房へ弟子入りしたいと思っているのですが、やはり無謀ですよね?
あてもなく、一体どうすればいいのかわかりません。
やはり、突然弟子入りではなく、専門の学校で技術を学ばなければ今時受け入れてはもらえませんよね・・・
年齢的にも、今15歳ですが、職人になるのに高校卒業待つのではおそすぎますか?
こんにちは
ピアノについては詳しくありませんのでピントが外れた回答になるかもしれません。
最初から海外に行くというのもひとつの方法ですがまず国内からスタートするのはどうでしょうか?言葉の壁も無く技術の習得ができますよ。
楽器の世界は違うかもしれませんが私がいる分野では次の法則があります。
・日本で優秀なエンジニアならアメリカに行っても食っていける。
・国内ですら通用しないエンジニアは海外に行っても相手にされない。
何度か海外出張に行って思い知らされましたが、貧困な言語能力は技術力(知識)でカバーできるが、その逆は無いということです。
私が親方ならこう思います。
単身飛び込んできた行動力は素晴らしい!でも来るならせめてある程度のレベルになってから来てよ。ゼロから手取り足取り教えるなんて御免だよ・・・。
私はドイツに行った事はありませんが、来日したドイツ人と話をすることはあります。アメリカ人と比べて思ったことがありますが、彼らは日本にいるときに日本語を話そうとするんだよね(しかも性別、年齢関係なくほぼ共通している)。どんな状況でも英語オンリーのアメリカ人に比べて好感が持てます。
でもドイツ語での会話は出来ません。英語に無いオエの発音はちょっとかじったくらいでは身につきませんね。
はんがんさん、詳しく教えてくださってありがとうございます。
どうすればよいのかまったく検討もつかなかったので、とても参考になりました!
はんがんさんのおっしゃるとおりに、まずは、ドイツの楽器製造学校を目標にがんばります。
ドイツ語は、中学生の頃から勉強していますが、一向に文章の理解力・会話能力ともに上達しません・・・
効率よくドイツ語をマスターするにはどうすればよいのでしょうか?
やはり、ドイツ語講座に通ったほうがいいですか?
こんにちは。ピアノについてはあまり詳しくないのですが、楽器一般ということで分かる範囲のことを説明します。適当に参考にしてください。
今私達が普通に手にする楽器の多くは、職人の手仕事とは言いながらも「工業製品」という趣が強くなっています(プロが使う高級品は別世界です)。私個人はそれが悪いとはまったく思いません。そのおかげで、比較的安価で一定の品質を保った楽器が登場して、私達の暮らしをとても豊かにしてくれています。ピアノはその典型例の一つでしょう。
ドイツでもその傾向はありますが、他の国とはちょっと異なるようです。管楽器の場合、比較的低いグレードでも基本的に受注生産になるのは、この国独特の徒弟制度が大きく関わっています。ピアノでもおそらくそうなのでしょう。
ドイツでは、ある種のものづくりに携わる「職人」と呼ばれる人々の地位はとても高く、すぐになれるものではありません。どんなものを作るかによって道筋は多少異なりますが、多くの場合、現地の専門学校で基礎技術を学んだ後、親方(マイスター=ドイツの国家資格です)の元で指導を受けながら、一流の職人になるための技能を修得していきます。あなたが言う「弟子入り」という感覚はある程度近いのですが、飛び入りを認めてくれるほど入り口が広いわけではありません。
マイスターの道を目指すなら、まず基礎的な技術をしっかりと学ぶことが大切です。また、技術だけではなく、人から尊敬を集められる人格と教養も求められます。楽器作りの場合、それを人並み以上に演奏できることも重要です。
とりあえず、日本の高校は必ず卒業しましょう。職人になる以前に、職人にふさわしい人間性を求められるのがドイツのマイスターです。しっかり教養を深め、人間を磨いてください。
その間にドイツ語を修めましょう。楽器作りでは、材料工学・物性物理学・音響学といったかなり高度な学問を、ドイツ語で教わることになります。ドイツには世界的に有名な国立の楽器製造学校がありますので、そこで学ぶことを当面の目標にしてはいかがですか? とりあえず、ドイツ語のサイトに書いてある入学資格を自力ですらすら読めるぐらいになって、はじめてスタートラインについたことになります。楽器作りには音楽的な素養も必要ですので、それを日本の専門学校で予め学ぶことを検討してもいいでしょう。
もちろん、何も考えずにまずドイツにジャンプ! というのも、特に若い間はおすすめなのですが、ことマイスターを目指す場合は、あまり分のいい勝負とはいえません。ドイツ人らしく、着実に歩みを進めることを心がける方が、あなたの夢の実現にはプラスに働くことが多いと思います。