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回答・コメントする(No.1270)
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警察庁と警視庁
[Q] 警察についての質問です。
某所で、
「警察にはキャリアとノンキャリアが存在していて、
キャリア組は警察庁に所属する」
と書いてあったのですが、
キャリア組は警視庁にはひとりも所属していないのですか?
そもそも警察庁と警視庁の主な違いはなんですか?
教えて下さい。

のりさんや木下さんの言うとおりですが
少々地方公務員の私でもわかりにくいσ(^_^;)アセアセ...
警察庁=国の機関(国家公務員)
警視庁=地方自治体の機関(地方公務員)
が一番すっきりかなと。
たまたま警察官という分野での話ですので、あの有名な「踊る大捜査線」で説明しますと
室井さん(柳葉さん)と真下君(ユースケさん)は警察庁に採用されたキャリアです。
SITの木島さんは警察庁採用ですがノンキャリアです。
この三人は階級に関係なく、「国家公務員」という土台があります
そして、青島君や恩田さんは警視庁採用ですので「東京都の職員」です。
さて、のりさんが話していた、「警視庁には・・・」のくだりですが
室井さん等は一度警察庁から警視庁へ「出向」した形になります。
出向ですので、身分は東京都職員で、給与支払者は「東京都知事」です
この部分は「地方警務官」云々がありますがあんまり気にする必要はありません。
逆に都道府県警察から警察庁へ出向というパターンもあります。
余談ですが、「地方警務官」の名刺と普通の警察官の名刺の違いを
警視以下は例えば「北海道警察 ××(階級) 名前」ですが
警視正以上は「階級 名前」のみです。
無論所属で「~警察署 刑事課」とか入りますが。

>のりさん
なるほど。。これで恐らく全ての疑問を解決できました。
ありがとうございます^^*
でもまた警察について新しい疑問が生まれたら、
ここに書き込むことがあるかもしれません。
もしも書き込みを見つけてお答え頂く事ができたら、
その時は宜しくお願いします!><(←!

ちょっと書き方が変だったかなぁ・・・ごめんなさい。
確かに「警視正」以上は国家公務員となるんですが、それはあくまで
「地方公務員」として「警察官採用試験」で採用された方のことなんです。
国家公務員試験で採用される方は、最初の段階で警視庁や道府県警察
ではなく警察庁職員として、管区警察局付けで採用となります。
つまり、そもそも国家公務員として採用となるわけです。
また、水島さんが書かれているように、Ⅰ種採用の方は警部補として
階級付けがされますが、警部補として勤務するのは1年程度、しかも
殆どの期間が研修所内や実地研修で終わってしまい、すぐに警部へと
昇任することになるようです。
このように、警察庁に採用された国家公務員としての警察官には昇任
試験はなく、経験年数や年齢に準じて自動的に昇任しますが、地方公
務員として採用となった警察官は、警部になるまでに3度も昇任試験を
受けなければいけないことになります(巡査→巡査部長→警部補→警部)。
※警部以上はかなりの要職になるので個々の適正等で判断される模様。
あと、国家公務員試験で警察庁に採用となる方は警察官だけではあり
ません。庶務的な業務や法令策定などの仕事を行う警察庁事務官や、
通信や施設管理などを行う警察庁技官という官職もあります。
技官は、地方に勤めても、あくまで「各都道府県警察と併設されて
いる管区警察局の情報通信部」などに配属となるだけです。
話は変わりますが、じゃやっぱりキャリアの方が素晴らしくて楽な
人生を歩むかというと、けしてそういう訳ではありません。
現場が好きな人にとっては、現場のことを殆ど知らずに机上の勉強
だけで進んでいってしまうキャリア職に違和感はあるでしょうし、
人事には個人の適正(思想や人間関係も含めて)が出てきてしまう
ことが多かったりしますし、時には政治的判断で配属替えが行われて
しまったりということもあります。
また、全般的にキャリアの方で特に本省・本庁がからむポストと関連
がある異動が行われる場合、本人に異動通知がされるのが非常に遅く、
たとえば4月異動だったら3月末ギリギリに通知されることもあります。
そのため、生活との調和が図りにくく、子供が学校に行っていたりす
ると、転校などの手続きでドタバタが発生します。
(特に幼稚園など定員制なときはパニックになります)
官舎があるため家の手配に手間取ることは少ないのですが、よくテレビ
で批判されているような豪華官舎は0.1%もありません。急遽異動となっ
て、官舎の空き部屋を探したら、幽霊屋敷のような部屋だったりっての
もよくある話です(ジトジト、カビカビ、穴だらけ・・・)。
同じ省庁に採用となっていても、いろんな面で待遇や仕事のやりかた
が変わってくるんで、純粋にやりたい仕事を見つけて、そのための
ルートを選ぶのがいいんじゃないかなぁと思います。

>のりさん
返信ありがとうございました。
やっぱり警察の組織について細かく調べていくと、難しくてなかなか理解できませんね;
でも、この疑問についてはのりさんのおかげで解決することができました。
最後に質問しておきたいことがあるのですが・・・
のりさんのレスの文中に、
>国家公務員と見なされる「警視正」以上の階級となる方は
とありますが、キャリア組とみなされる方々は、国家公務員になるための試験を受けて、
いきなり警部補になることができるんですよね。
警視正は警部補の3つ上の階級だった覚えがありますが、
警視正になるまでは国家公務員として認められないのでしょうか。

なかなか難しい話なんですが、都道府県の警察というのは地方公務員と国家公務員が
混じった状態で仕事をしている、ということをまず念頭に覚えておいてください。
で、地方公務員として警視庁や道府県警察に配属されている方々は、それぞれの都道府県
の予算のなかでお給料をもらっています。また、その人数は都道府県の条例で定めています。
(公務員の定員はほぼ全てが法令や条例等で決められているんです。だから増やしたり、
減らしたりすることがとても難しいんです。)
また、国家公務員として働いている方々は、国の予算のなかでお給料をもらっています。
人数も、都道府県の条例ではなく、内閣府が政令で定めています。
国家公務員と見なされる「警視正」以上の階級となる方は、本部の部長や主要な課の課長、
大規模な警察署の署長といった役職より上の方々ですから、そんなに人数の増減は発生
しません。また、この階級になると役職も限られてくる上に、その行動の影響が地方だけで
済まなくなってくることもあるんで、都道府県を越えた人事が発生したりします。
そして、それぞれの方々の人事を管理するのも、地方だったり警察庁だったりします。
つまり「警視庁」や「道府県警察」というのは“組織”の枠組みの一部分の名前であって、
「警察」という大きな組織のなかで「中心となる部分」は国が統率を行い、「手足となる
部分」は各都道府県の裁量に任せている、ということになります。
公務員の場合、こうした配置換えや出向は非常に多いです。そして、そのたびに自分の所属
や人事管理を行う権利を持っている人(任命権者)が変わってしまったりするんです。
このあたりは、役所という巨大な枠組みの中で動かされているだけというような感覚で、
水島さんのようにこれから勉強される方だけでなく、一般の方々から見てもよく理解できない
と思います。
あと、警察庁の職員は国家公務員です。
ただし、警察庁の職員は全て「地方より上」って訳ではありません。
警察官とはやっている仕事が違うだけで、一般の係員レベルの方々も多数います。
本当にややっこしいと思いますので、どんどんなんでも聞いてくださいね。

>のりさん
返信ありがとうございました。
警視庁に国家公務員は居ないということですが、逆に言うと、警察庁は「国の役所」ということで、職員はすべて国家公務員なんですよね?
するとまたわからなくなってしまったのですが・・・
警視庁で「キャリア組」とみなされる国家公務員が『働いている人はいる』けれど、『職員ではない』ということはどういうことなんでしょうか。
少し頭の整理が難しくなってきました;;><

警察ではありませんが、別の省庁でⅡ種採用された者です。
なんか誤解を与えることが書かれているようなので修正をさせていただきます。
まず「キャリア」「ノンキャリア」ですが、一般的に使われています。
別に憚られるようなこともありませんし、下品でもありません。
この区分は省庁によって異なりますが、国家公務員の例でいうと、
「Ⅰ種採用」をキャリア、「Ⅱ種、Ⅲ種採用」をノンキャリアとしている
ところが多いです。Ⅱ種採用をキャリア(もしくはキャリア予備的な感覚)と
しているところもあります。
公務員にも色々な部署があります。出先機関の「課長」と本省の「課長」では
責任の重さや発言の影響範囲も異なりますから、当然ながら級が異なります。
また、現場での仕事をメインに考えるのか、役所として行政として取り仕切る
ことをメインに考えるのか、ということによって、仕事の種類も変わります。
全ての人が現場のことを理解してから、政治的な面を理解していくとなると
短い公務員人生(20歳で採用になっても最長40年)で理解し、判断できる
ほど簡単ではないです。
また、現場を知ってしまったが為に、行政としての決断が渋られてしまうこと
も多々あるでしょう。
そういう意味で、ある程度はコース分けされた人事を行うための制度であると
言うことが出来ると思います。
もちろんそれに伴う弊害はありますが、時代錯誤というのは変でしょう。
また、この「キャリア」「ノンキャリア」は国家公務員だから、地方公務員だ
からといった区分があるわけではありません。
地方には地方で、上級や初級といった試験区分がありますので、それぞれの
試験レベルなどに応じて、人事のコースが決まってくると思います。
警察庁と警視庁の違いは、木下藤吉郎さんの書き込みにあるとおりです。
警察庁は全国の警察組織を統率する役割を果たしており、
国の機関(内閣府の外局配下の特別の機関)です。
警視庁は「東京都警察」です。ただ、東京都には国の主要機関が集中している
ため、国家警備を担当するという観点から、別扱いとなっています。
また、警察庁は地方ごとに管区警察局という出先機関があり、各府県の警察本部は
管区警察局の管理下におかれていますが、警視庁と「地方=道」である北海道警察は
管区警察局ではなく、警察庁の直属になります。
なお、警視庁に国家公務員はいません。
警視庁という組織で働いていても、警視正以上の方は警察庁の所属になり、
名称も「警察官」ではなくて「地方警務官」になります。
このような細かい「役所の事情」は各省庁によって様々ですので、
もし疑問などありましたら、また質問してください。

木下藤吉郎さん
とても丁寧な説明のおかげで、疑問を解決する事が出来ました。
ありがとうございました!

まず、キャリアとノン・キャリアについてお話しますが、水島さんは中学生でいらっしゃるので、念のため組織と役職について、まず復習させてください。
多くの会社では、社長は一人です。副社長、専務取締役、常務取締役、部長、課長、係長、主任、平社員と仕事の熟練度が下がるにつれて、人数が多くなります。昔の日本社会では、「年功序列」といって、役職がキャリア(職歴という意味です。どんな仕事をどれだけの期間経験したかということです)で決められました。「3年働いたから、あなたを主任に任命します」という具合です。
さて、どんな組織でも、多くの人数を必要とする仕事をしてもらうためには多くの人を募集し、少ない人数しか必要でない仕事をしてもらう人は少ししか募集しません。公務員試験の場合、少しの人数しか採用されない試験に合格した人は、多くの人が合格する試験に合格した人より、上位の役職までキャリアを積めるので(昇進できるので)、「キャリア」と呼ばれるようになったのだと思います。それ以外の人は「ノン・キャリア(キャリアでない人)」と呼びます。この「キャリア」、「ノン・キャリア」というのは、公的な場所で使うことが憚られる、下品な言葉ですので、ご注意ください。ただ、「刑事ドラマ」では、捜査現場の荒々しい雰囲気を表現するために多用されます。そのため皆さんになじみのある「キャリア」と「ノン・キャリア」をあえて使いますので御了承ください。
さらに詳しいことは、同じ「もっと教えて!フォーラム」の、2006年7月1日に、まこさんという方が作成されたトピック「女性警察官という仕事」に、昔の「キャリア」と「ノン・キャリア」のお話を書きました。嘘つき貴族さん、ハロワのおやじさんもコメントを寄せていらっしゃいますので、御覧ください。
「警察庁」は国の役所です。仕事の一部が、「警視庁」や「北海道警察」、「大阪府警察」、「埼玉県警察」など、全国47都道府県に一つずつある警察を監督することです。「警視庁」は、東京都の警察のことです。
キャリア組は警視庁にはひとりも所属していないのかというご質問の「所属」が、「警視庁で働いている」という意味なら、「警視庁で働いているキャリア組とみなされる方はおられます。」とお答えします。
「警視庁の職員なのか」という意味でしたら、「いいえ、警察については、キャリア組とみなされる人は、全員国家公務員です」とお答えします。「警視庁職員」は全員東京都職員です。(ただし、東京都職員の警察官も、「警視正」という役職に任命されると、法律で身分が国家公務員になるそうです)。
フランスやイギリスなどヨーロッパ諸国の中には、子供の頃に将来が決定されてしまい、日本以上の階級社会と評される国もあるようです。しかし、若いときに受験する一度の試験結果が公務員人生を決定づける「キャリア」制度は、関が原の合戦で東軍についた武将は子々孫々大名で、西軍についた武将は子々孫々浪人暮らしだった江戸時代の身分制度を思わせる、時代錯誤の因習だと思います。