言語聴覚士


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聴覚や言語機能の障害を持つ人に対して、検査やリハビリテーションを繰り返しながら、機能回復をうながしていく。「耳がよく聞こえなくて言葉がわからない」「聞こえても発声や発音ができない」「言葉が理解できない」といった障害は先天的なものだけでなく、脳卒中や脳梗塞、耳の病気など後天的な病気が原因となって発病することも多い。患者は話したくても言葉にできない、相手の話すことがわからないという、もどかしさをつねに抱えている。そのため、患者と接するときには、心理学的な知識や技術も必要となる。加えて繊細な心配りや、観察力、記憶力、相手が表現したいことをくみとれる洞察力などが求められる。言語聴覚士は1997年にできたばかりの国家資格。国家試験を受験するためには、全国に20校(※1)ある言語聴覚士養成所(3年間 ※2)を卒業、あるいは大学で指定科目を履修し卒業するなどの方法がある。活躍の場は病院や、福祉施設、自治体、教育機関などのほか、在宅・訪問診療でリハビリテーションにあたる場合も増えてきている。


※1 編集部注:2024年年6月現在では、77校81課程。
※2 編集部注:2年~4年。大学卒業者は2年課程の養成所を受験できる。

1999年に第1回言語聴覚士国家試験が開始されて以来、2024年(令和6年)4月までに41,657人の合格者が生まれている。
また、日本言語聴覚士協会には、2024年(令和6年)6月時点で2万人を越える正会員が登録されている。(※1)

※1日本言語聴覚士協会ホームページより

言語聴覚士として働くためには、指定の学校・養成所において言語聴覚士として必要な知識・技能を修めるなどしたのち「言語聴覚士国家試験」に合格する必要がある。第26回(2024年)試験の受験者数は2,431人、合格者は1,761人、合格率は72.4%。

言語聴覚士の養成機関では、医学、心理学、言語学、音声学、音響学や社会科学などの基礎科目と、言語聴覚障害学総論、失語・高次脳機能障害学、言語発達障害学などの専門科目を学ぶ。さらに、病院、リハビリテーションセンターなどで臨床実習を受ける。言語聴覚士には、知識や技術だけではなく、表現したくてもできにくい人々の思いを受け止められる人間性なども求められる。

日本言語聴覚士協会ホームページより

13hwに登録されている「仕事白書」から「言語聴覚士」に関連する白書をPICK UP!

医療現場では言語聴覚士のことを通常STと呼んでいる。これは英語の「Speech-Language-Hearing Therapist」の頭文字をとったもの。

【参考】
理学療法士 ・・・ PT(Physical Therapist)
作業療法士 ・・・ OT(Occupational Therapist)
言語聴覚士 ・・・ ST(Speech-Language-Hearing Therapist)

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