ナニー


<< 編集部の職業解説 >>

保護者に代わって一時的に子どもを預かり、面倒を見るのがナニー。ベビーシッターとの違いは、単なる身の回りの世話にとどまらず、しつけや勉強、情操教育など乳幼児教育の専門家としてケアをする部分。保護者から直接依頼を受ける、ベビーシッター派遣会社を介して働くなどの方法があるが、いずれも依頼主の自宅に訪問して働くことがほとんどで、時には住み込みで仕事をすることも。特別な資格は必要ないが、イギリスには伝統的なナニー養成校があり、ホームステイ実習や幼児への英語指導など英国式乳幼児保育を集中して学ぶことができる。このため、専門知識を学びたい人や、保育士などの資格を持っている人が将来的な独立を目指して留学するケースも。女性の社会進出や産後の職場復帰が増え、幼児教育への関心が高まっているなかで、今後はナニーの必要性もさらに増していくだろう。

幼少期の教育は、その子の将来に大きな影響を与える。そのため、依頼者の要求も高く、責任も大きい。その分、かかわった子どもがスクスクと成長し、大きくなった姿を見るのは、大切な時期をサポートしたナニーとして、大きな喜びを感じる。

19世紀、イギリスのヴィクトリア朝の裕福な家庭では、乳幼児の育児係として、若い女性を雇っていた。当時、それをチャイルド・ナース、あるいはウェット・ナースと呼んだ。「チャイルド」「ウェット(おしめやミルクなど濡れたものを指す)」は、一般的なナースと区別するためにつけられたものである。また、「ナース」は、16世紀までは「乳母」を意味し、いわゆる「看護師」ではない。このナースが、のちにナニーと呼ばれるようになった。

結婚、出産後も働き口の多いベビーシッターの需要は、女性の仕事の多様化、核家族化とともに増えている。さらに、子育てを支援する政策が広まっており、より教育性の高いナニーの技能に注目が集まっている。収入は、地域や勤務時間帯によっても異なるが、時給1000円~1600円程度。

養成校(学校)に通うのが、ナニーへの最短距離といえる。その中で、世界でもトップレベルとして有名なのが、英国のノーランドカレッジ。留学という大きなハードルを越えなければならないが、ナニーについて本格的に学ぶことができる。同時に、英語スキルも身に付けることができ、それをナニーの仕事に活かすこともできるので、メリットは大きい。 日本では株式会社ポピンズが、イギリスのナニーをお手本に、教育ベビーシッターの養成コースを展開。近年、日本でも注目されつつあるナニーへの道ができ始めている。

(参照)ノーランドカレッジ(http://www.norland.co.uk/)

ナニーになるために必須となる資格は、特にない。

日本にはナニーの資格認定団体はないが、保育士、全国ベビーシッター協会認定資格、チャイルドマインダーの資格を持っていると有利。

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