和傘・提灯(ちょうちん)・うちわ・扇子(紙と竹を主材料とする製品)


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和傘・提灯(ちょうちん)・うちわ・扇子(紙と竹を主材料とする製品)現在では、茶道や日本舞踊、歌舞伎の道具として使われている和傘が、中国から日本に伝わってきたのは6世紀。当時の傘は開閉することができなかったという。傘が一般的に広く使われるようになったのは、江戸時代からといわれている。身分によって異なる傘を使用していたので、傘を見れば身分がわかったそうだ。また時代劇で浪人が傘張りの内職をする姿を見かけることがあるが、これは史実。江戸時代中期に下級藩士が、藩の財政を助けるために、内職として傘を作っていたという話が残っている。昭和初頭の最盛期には1000万本も制作されていた和傘だが、戦後、生活様式が大きく変化し、実用品としての座を洋傘に奪われてしまってからは、急激に産業として衰えてしまった。 提灯は室町時代に中国から伝わってきたといわれている。江戸時代には持ち運びできる灯りとして、行灯(あんどん)に代わって重宝された。江戸時代に盆供養に提灯を使う習慣が生まれたため、生産量が増加したという。
あおいで風をおこす道具である、うちわと扇子。うちわのほうが起源が古く、飛鳥・高松塚古墳にもその姿を見ることができる。うちわは「打破」と書き、当初はその名のとおり、魔除けの意味を持つ道具だった。扇子は、平安時代初期に生産がはじまり、貴族の日常品として発展した。このころはうちわも扇子も「おうぎ」と呼ばれていた。その後、うちわは戦国時代に、武将の指揮用の小物として用いられるようになった。このうちわは鉄と皮で作られており、防具としての役目もあったという。江戸時代に入り、うちわは江戸で庶民の道具として発展した。形が丸からだ円に変化し、模様や絵柄が描かれるようになった。盆や中元にうちわを贈答する習慣もこのころに生まれたものだという。一方扇子は、室町時代には茶道や能楽の道具としても使われるようになった。なお中国大陸・朝鮮半島を起源とする工芸品が多いなか、扇子は珍しく純日本産の製品である。明治から大正時代には、生産された扇子の約半数が輸出されていたそうだ。

産地:【和傘】阿島傘(長野県)など【提灯】名古屋提灯(愛知県)・讃岐提灯(香川県)・八女提灯(福岡県)・知覧傘提灯(鹿児島県)・岐阜提灯(岐阜県)など【うちわ】京うちわ(京都府)・丸亀うちわ(香川県)・房州うちわ(千葉県)など【扇子】京扇子(京都府)・名古屋扇子(愛知県)など

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