ガラス製品


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ガラス製品ガラスの製造を含む技術は江戸時代末から明治時代にかけて、ヨーロッパから入ってきた。産業として確立されたのはこのころのことである。ガラス工芸のなかでもっとも古い製品は、蜻蛉玉(とんぼだま)である。これは世界各地で作られていたガラス工芸の基礎ともいえるもので、今に残る最古の蜻蛉玉は、紀元前18世紀ごろのメソポタミアで作られている。日本で本格的なガラスの製造が始まったのは、江戸時代末から明治にかけて、ヨーロッパからさまざまな技法が伝わってきてから。このころから作られているもののなかでは、金剛砂でガラスの表面に彫刻を施す「切子(きりこ)」が有名である。

産地:江戸切子(東京都)・大阪蜻蛉玉(大阪府)・肥前びーどろ(佐賀県)・薩摩切子(鹿児島県)など

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ガラスを使って、花器やコップ、お皿や装飾用の小物、アクセサリーパーツなどを作る仕事をする人。また、消耗の激しい溶解炉の補修工事をしたり、原料を投入して煮溶かしたり、といった作業をする。ガラス工房は観光地にある場合が多く、観光客にわかりやすく説明したり、体験させる時には高温の炉を扱うため、細心の注意を払って指導を行う。ガラスは繊細な素材のため感性と技術、デザイン能力などに加え、実際の作業は1200度を超える炉の前での長時間作業となり、体力面での鍛練も必要である。多くはガラス工房、ガラス会社に就職し、技術を習得後、創作活動に入るか、作家のもとに弟子入りして学ぶというケースが多い。

伝統工芸以外のものも含まれるが、2000年の国勢調査の時点で2万5175人がガラス製品成形作業者として働いていた。また、総務省の調査(※1)によれば、2004年時点でガラス・同製品製造業を営む事業所の数は全国に2262軒あり、従業者数は5万7999人となっている。

※1 「平成16年 事業所・企業統計調査」務省統計局

ガラス製品製造職人の年収は250~350万円程度(※1)。また、伝統工芸的なものは含まれないため参考値だが、民間で働くガラス製品工(調査時平均年齢40.4歳)の現金給与月額は32万2400円、推定平均年収は467万円となっている。(※2)

※1 『人間関係がニガテでもうまくいく天職ガイド』廣済堂出版よりp87
※2 「賃金構造基本統計調査 平成16年」厚生労働省より推計

学校卒業後、産地の工房やガラス製品の製作所などに就職したり、ガラス工芸作家のもとに弟子入りしたりするなどして経験を積みます。美術・工芸系の大学や専門学校、職業訓練校などでガラス工芸に関する基礎的な知識や技能を身に付けることも可能です。修業期間を経て実力を付けた後、独立する場合もあります。

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