漆器
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漆工芸は東アジア独特のもので、日本では縄文後期にはすでに漆器が存在していたといわれている。奈良時代には蒔絵(まきえ)のもととなる技術が誕生し、さらに平安時代には遣唐使の廃止後、日本独自の技法が発達していった。安土桃山時代に入ると南蛮文化の到来により、欧風のモチーフを扱う作品も作られるようになった。漆器が海外に輸出されるようになったのも、このころのこと。江戸時代には、幕府・藩で塗師や蒔絵師を召し抱えるようになったため、全国で漆器が広く生産されるようになった。陶器が「china」と呼ばれるのに対し、漆器は「japan」と呼ばれており、世界的に日本の漆器は有名である。ただし現在、原材料である漆はほぼ中国からの輸入に頼っている。漆器の制作は分業制で、多くの職人がいる。直接的に漆器に関わる職人は、掻子、木地師、下地師、塗師、呂色師、蒔絵師、沈金師といった人びとだが、ほかの製品にもいえることだが、さらにこれらの職人の使用する道具を制作する職人もいる。
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