弁理士


<< 書籍「13歳のハローワーク」の職業解説 >>

発明や創作などは、他人が勝手に真似して金銭を儲けないよう、特許権や実用新案権などの産業財産権によって保護されている。弁理士は、その産業財産権の申請を依頼者に代わって行う。国家資格の弁理士試験に合格しなければならない。法律に携わる仕事だが、発明をきちんと理解し、書面に作成できる力が必要。そのため、理科系の学部を卒業した人が約8割を占める。勤務先は企業の特許部門や特許事務所など。独立する人も多い。発明が生み出す利益は、権利が保護される範囲によって変わってくるので、その範囲を広げることが求められる。また、1分1秒を争って、他人に先んじて特許権を申請しなければならないときもある。発明を生かすも殺すも弁理士次第の世界ともいえる。現代は技術革新のスピードが速く、いったん資格を取ってからも日々の勉強は欠かせない。国際化が進んでいるので、英語の読み書きはできたほうがよい。

<< 編集部の職業解説 >>

弁理士とは、企業や個人に代わって、特許や実用新案、意匠および商標に関し、特許庁に対して出願や登録申請を行う仕事。一般の人にとって出願や登録申請は難しいものであり、理解するには苦労する。そうした特許申請など関するあらゆる知識を持つのが弁理士だ。具体的な業務は、出願に際して、すでに登録されている特許などに同じ物がないかを調査し、登録申請に当たっては、商品化した場合にどの部分の権利を保護されるべきかを考えて出願の範囲を決める。また、他者の無断使用が明るみになったとき、弁護士と協力して異議申し立てや訴訟に関する仕事を行うこと。弁理士として働くためには、原則として国家試験に合格し、資格を取得しなければならない。また弁護士は登録すれば弁理士として働くこともできる。

2005年11月時点で日本弁理士会に登録している弁理士の数は6297人です。そのうち男性は5658人(89.9%)、女性は639人(10.1%)です。弁理士の最終学歴を文理別でみると、文科系出身者は1492人(23.7%)、理科系出身者は4691人(74.5%)となっています。(※1)

※1 日本弁理士会ホームページより

特許事務所に勤務する場合、一般的な会社員と同様、月収20~30万円程度からスタート。資格を取得することで月5万円程度アップし、取得後10年も経てば1000~1200万円程度の年収に。独立して事務所を構えた場合の経営者の年収は数千万円にのぼることも。(※1)

※1『これが年収だ!!』長崎出版よりp65

弁理士として働くためには難関の「弁理士試験」に合格し、日本弁理士会に登録する必要があります。2005年度の場合、最終合格者数は711人、最終合格率は7.8%でした。これとは別に、弁護士および特許庁において規定の職務に一定年数以上従事した人も弁理士となる資格を有しています。

この職業解説について、感じたこと・思ったことなど自由に書き込んでね。

わからないこと・知りたいことは、働いている大人に聞いてみよう!

次はこんな職業も見てみよう!