土地家屋調査士


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土地の所有者は、建物を建築したとき、建物が減失したとき、田畑などを造成して宅地に変更するような地目を変更したとき、土地の面積に変更があったときなどは登記をしなければならない。土地家屋調査士はこのような客の依頼により、不動産を登記する際に、必要な土地や家屋を調査、測量し、図面を作成したり、申請の手続きを行う。法務省の行う国家試験に合格し、都道府県の土地家屋調査士会へ所属してはじめて開業できる。現在1万9000人ほどの登録がある。土地の測量をしなければならないので、測量士の資格を持っている人も多い。また、不動産の売買で権利所有者が代わる場合の登記は司法書士の仕事なので、司法書士の資格も持っている人もいる。土地の境界に関するトラブルは少なくなく、弁護士とともに解決に携わることもある。

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不動産の法律と技術面に携わる国家資格。重要な財産である土地や建物がどこにあり、どのような形をしているのか、またどのような用途に使用されているかを調査、測量して図面作成、申請手続きなどを行う。土地や建物は、法務局にある不動産登記簿に記録することによって権利が保全されるため、土地家屋調査士はその専門家として社会的責任のある仕事といえる。また、この手続きを一般の人が行うことは困難なため、国から認可を受けた土地家屋調査士だけの独占業務となっている。調査の具体例は、建物を新増改築したとき、土地を分割して売買するとき、山林などを造成して宅地に変更したときなど。客観的に物事を判断することが得意な人、社会に貢献したいという意欲のある人が、この仕事に楽しんで取り組めるだろう。

昭和24(1949)年のシャウプ勧告により税制の抜本改革があり、これによって国税であった固定資産税(土地や家屋の所有者が納める税金)が市町村税に変わった。
それまで土地や家屋は、税務署が管理(「土地台帳」「家屋台帳」)してきたが、課税のための台帳から現況を正しく表示するための台帳として取扱う事を目的に、管轄を法務局(登記所)へ移した。
これを機に台帳業務の適正を図る事、登記手続の円滑化、ならびに不動産による国民の権利を明確にする目的でこれらの業務を専門的に行うために昭和25(1950)年7月31日に「土地家屋調査士法」が制定された。

土地家屋調査士会の登録会員数(年代別)

20代38人
30代766人
40代3,401人
50代3,631人
60代3,917人
70代3,633人
80代以上739人
合計16,125人
※ 「土地家屋調査士白書2022」(日本土地家屋調査士会連合会)より

近年は大規模なマンション建設が相次ぎ、多くの登記申請業務が必要とされているほか、権利意識の高まってきたことで個人の相談業務が増えている。これにより、土地家屋調査士の業務は新たな方向への拡大が予想されている。月収は、土地家屋調査士の事務所勤務で20万円程度から。

年間報酬額平均値(地域別)

北海道1,086万円
東北1,302万円
関東1,146万円
中部1,311万円
近畿1,286万円
中国1,084万円
四国1,151万円
九州1,189万円
※ 「令和4年度土地家屋調査士事務所形態・報酬実態調査報告書」(日本土地家屋調査士会連合会)より

法務省が行う土地家屋調査士国家試験に合格し、都道府県の土地家屋調査士会へ入会することで、土地家屋調査士になることができる。

土地家屋調査士試験の合格率は9.66%(令和5年度)。この試験は年齢、性別、学歴に関係なく誰でも受験できる。
筆記試験の午前の部では平面測量や作図について、午後の部では主に不動産登記法・民法について出題。また、筆記試験の合格者には、1人15分程度の面接方式による口述試験もある。
測量士、測量士補、一級・二級建築士の有資格者などは、筆記試験の午前の部が免除される。

土地家屋調査士試験の受験者推移

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土地家屋調査士試験を受験する人は、測量士、測量士補、一級・二級建築士を取得している人が多い。
また、調査から登記まで一連でサービスを提供するために、土地家屋調査士と司法書士の両方の資格を取得したり、司法書士と共同で事務所を開業している人も多い。

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