料理研究家


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新しい料理メニューの開発や料理のアドバイスをしたり、料理学校や料理教室の先生、料理雑誌や料理本などでの執筆、テレビの料理番組への出演などを行う。日本料理、フレンチ、イタリアン、中国料理などの分野で、それぞれ伝統料理、郷土料理、家庭料理を専門にする人もいるが、1つ以上の分野の料理を作る人のほうが多い。大学、短大、専門学校などで栄養学や調理について学んだ後、料理研究家のアシスタントになる人が多いが、栄養士や料理担当の編集者、家庭の主婦から転身する人も少なくない。最近は健康に関わる料理の仕事が増えているので、管理栄養士・栄養士の資格をとっておくと役に立つ。女性の憧れの仕事になっており、女性の進出が目立つ仕事だ。希望する人が多いので、専門の分野を持つこと、独自の視点を持つことが大事。料理現場を歩いて体験を重ね、食文化全般への造詣を養うことも必要だ。

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料理研究家という職業は、実は非常に曖昧なポジションにあって、自分で料理を作る調理人や、新しい料理を開発・紹介する人が料理研究家を名乗る場合もあったり、日本料理、インド料理など、料理そのもののジャンルを特定して様々な研究をしている人もいる。料理研究家としての資格などは特になく、自分で料理研究家を名乗ることもできるが、実際には、料理雑誌などでの記事掲載、料理本の出版、テレビやラジオの出演など、マスコミで取り上げられてはじめて料理研究家を職業としていると言えるだろう。まずは調理師の資格をとった方がいいだろう。

料理研究家としてのギャランティは知名度により幅が広がります。手掛けたレシピ本がヒットすれば収入はアップしますが、基本的には不安定な仕事といえます。(※1)

※1『好きな仕事実現シリーズ 食にかかわる仕事』学習研究社よりp106

料理研究家になるための決まったコースはありません。調理・栄養系の大学や専門学校などで料理全般の基礎的な知識や技能などを身に付けた後、著名な料理研究家のアシスタントになる場合もありますが、最初から料理研究家を目指したというよりも、例えば、調理学校の講師や料理教室の先生、栄養指導者、料理雑誌の編集者、フードコーディネーターなど料理に関連する仕事をつきつめるうち料理研究家になったというケースが多いようです。また、主婦あるいはまったく別の本業を持ちながら趣味が高じてレシピ本などを出すうちに料理研究家として認められるようになった人もいます。

O-157や狂牛病、鳥インフルエンザなどの影響もあり、近年、食に対する安全志向や人々の健康志向が高まっています。こうした中、野菜や魚、肉などが生産者から消費者に届くまでの流通ルートを明確に示す「トレーサビリティ」というシステムが普及したり、ファストフード文化を改め、質の高い素材や伝統的な料理を手間暇惜しまずに調理してゆっくり食事するという「スローフード」が提唱されたりなど、食に対する見直しが盛んになっています。安全で栄養があり、美味しく見た目も美しい料理を人々に提供するためにも料理研究家の役割は今後高まってくるといえるでしょう。

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