翻訳家(ほんやくか)


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外国の文学作品を日本で出版するために翻訳する外国文学翻訳、ビジネス用の文書や、企画書、マニュアルなどを翻訳する実務翻訳、映画やテレビ番組、雑誌、歌詞などを翻訳するメディア翻訳など、ジャンルは幅広い。日本には翻訳科のある大学はないので、多くの人が専門の語学学校で技術を学び、その後、翻訳会社に勤めたり、フリーで仕事をすることになる。特別な資格は必要ないが、英語と中国語に関しては日本翻訳協会が翻訳技能認定試験を行っていて、実力の目安になる。外国語の能力はもちろんのこと、日本語の文章力が必要。また、実務翻訳の場合は専門知識もあるとよい。外国文学の場合、出版社から直接仕事がくることが多く、専門学校の講師に紹介してもらったり、名のある翻訳家の元で仕事をし、まずは人脈を築くことになる。外国文学の出版では原作者と同じくらい大きな存在で、やりがいのある仕事だ。実務翻訳の場合、翻訳会社に登録し、そこから仕事を回してもらうことが多い。しかし、はじめから翻訳の仕事だけで食べていける人は少なく、専業にしようと思ったら、数年は仕事がなくても生活できるだけの蓄えが必要という。

<< 編集部の職業解説 >>

「出版翻訳家」と「産業翻訳家」の二つに翻訳家は大きく別れる。「出版翻訳家」とは、外国文学を翻訳して出版する人や外国映画に入れる字幕の文章の翻訳をする人のことを指す。「産業翻訳家」は、ビジネス文書や契約書などを翻訳する仕事を行う。ビジネスの国際化が進むにつれて、産業翻訳家へのニーズは年々高まっており、出版翻訳家と比較して日本国内では圧倒的に需要も多いようだ。また、インターネットの普及に伴い、マスコミ業界などでは海外のホームページから最新情報やユニークな話題を得る機会も多く、プランナーやライターなどにとって翻訳の技能を持っていることは大きなアドバンテージになるだろう。翻訳家の必須資格はないが、厚生労働省認定の「翻訳技能審査」の資格取得が一般的だ。さらに各種外国語の実用技能検定もあると有利。出版翻訳家は、これらに加えて文学的な素養も重要となる。単に外国語を直訳するだけでなく、それを日本語の文学作品として完成させる表現力がなければ仕事を行うのは難しい。

印税契約の出版翻訳の場合、収入は定価×刷り部数×印税率で計算されます。印税率は実績や契約内容により3~8%程度。ベストセラーになれば数千万円になることもありますが、例えば1500円の本を8%の印税率で5000部刷ったとして60万円程度。年に5冊翻訳して年収300万円にしかなりません。(※1)

※1『あの人の年収がズバリ!わかる本』KAWADE夢文庫よりp162

大学の外国語学部や翻訳者養成の専門学校などで学んだ後、翻訳会社に就職したり翻訳エージェントにトライアル(翻訳試験)を経て登録したりします。翻訳コンテストで受賞したり、著名な翻訳家に弟子入りしたりするなどの方法で翻訳家の道を目指す人もいます。必須となる資格はありませんが、日本翻訳協会が行う「翻訳技能認定試験(翻訳検定)」などが実力の目安となります。

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翻訳の仕事といえば外国文学や外国映画を訳す仕事を思い浮かべますが、圧倒的に需要があるのが、契約書やマニュアルなど、ビジネスに関連した文書を訳す産業翻訳(実務翻訳)。外国との交易で成り立っている日本では欠かせない仕事です。翻訳者の名前が表紙に大きく出て、日本語の表現力も問われる出版翻訳と比較して、産業翻訳は何より正確性・専門性などが求められます。

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