落語家


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手ぬぐい1枚、扇子1本を持って高座に上がり、喋り1つで人を笑わせ、ときに泣かす。江戸時代から日本人に愛されてきた伝統芸能だ。古典落語は笑いどころを押さえた客たちに、新作落語は未知の笑いを求める客たちに、それぞれはなし家の個性を織り交ぜて笑いを提供する。師弟関係の強い世界で、弟子入り、修業という期間をへないで落語家になることはほとんどない。前座から二ツ目に昇格し、最終的に真打となる。この過程はほぼ15年が目安といわれる。真打でなければ弟子は取れない。年齢に関係なく、弟子入りの時期で序列が決まっていくから、弟子入りが若ければ若いほど出世の年齢も早く、長く落語家でいられる。しかし、あせって師匠の門をたたく必要もなく、さまざまな社会経験が芸の肥やしになるのも確か。実際、大学の落語研究会出身や、社会人の経験があって第一線で活躍する落語家は何人もいる。大きく江戸(東京)と上方(大阪)に分かれるが、それぞれ独特の話し方があるので、地方出身の人には努力が必要だ。

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