特殊造形:ミニチュア


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特殊な視覚効果を得るための、小型の模型を作る。宇宙基地や街並みなどを模型化したものはミニチュアセット、車や宇宙船や家などを縮小したものをミニチュアモデルという。原寸大の街並みや宇宙基地を作るのは大変なコストがかかるので、縮小したミニチュアを作るわけだが、実感を出すためには非常に高度な技術が求められる。細部まで忠実に作るというより、本物に見せるための、距離の縮小や材料の選び方、遠近感の作り方、合成のための正確な縮尺などがより重要になる。たとえば、小さなプールに軍艦のミニチュアを浮かべた場合など、波まで小さくなってしまうので、液剤を混ぜて水の表面張力を強めたり、撮影に工夫が必要になる。また、シュノーケルカメラを使ったり、高速度撮影やコマ落とし撮影など、ミニチュアでは、特殊撮影を組み合わせる。ミニチュアは橋やビルの爆破、大地震、ダムの決壊、大津波などのシーンで、破壊されることが多いので、ほかの技術との綿密な打ち合わせが不可欠。日本では、怪獣、怪物、妖怪などのキャラクターモデル製作や、特殊メイクなどと合わせて、特殊造形という呼び方をすることもあるが、ミニチュア製作はハリウッドでは独立した仕事である。CG(コンピュータグラフィックス)全盛時代にあっても、ミニチュアセットやモデルがなくなることはない。ミニチュア造形家になるには、美術系の専門学校や、美術大学で絵や彫刻を学んだ後、特殊造形部門を持つプロダクションに入って修業し、経験を積むのが一般的。映画のほかに、住宅など建築物の展示場や、さまざまなイベント、博物館などいろいろな施設のジオラマなど、需要の幅は広い。

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