映画俳優
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かつて日本映画全盛のころは映画俳優という確固たる職業があったが、今は死語に等しい。つまり映画への出演だけで生活の糧を得ている日本の俳優はほとんどいない。テレビドラマに出たり、テレビCFに出たり、舞台に出たりしながら映画出演の機会をうかがうのが一般的だ。しかしなかには映画のスクリーンだけにモチベーションを持つ数少ない俳優たちもいる。映画全盛期のように撮影所システムが機能していれば、撮影所が抱える「新人」としてデビューすることができたが、今はそれも不可能。映画俳優を志す人は、新作のオーディションに応募するか、芸能プロダクションの門を叩くか、学生映画に出て注目されるか、そのくらいしか方法がない。女優の場合、映画に出してやるよ、といって近づいてくる悪い人が大勢いるので注意が必要。本当に映画に出演させるだけの実力のあるプロデューサーや監督は、自分でリスクを負わなければならないので、映画に出してやるよ、などとは決していわない。
俳優を生業としている人の数を把握することは困難ですが、日本俳優連合に加入している俳優だけで約2800人にのぼります(※1)。ちなみに、2004年度に映画館で公開された邦画の本数は310本でした(※2)。1本の映画に出演する主要なキャストだけで数十人におよぶことから、いかに大勢の俳優が活動しているか想像できるでしょう。
※1 日本俳優連合ホームページより
※2 日本映画製作者連盟資料提供
ごく一部のビッグスターを除いて映画は割に合わない仕事といわれます。テレビで稼動すれば月に1~2000万円も稼げそうな俳優が、3カ月や半年、ひどい時は1年以上も拘束されて1000万円以下ということも珍しくありません。それでも多くの俳優は映画の仕事を「本編」と呼び、いい役の話がくると採算度外視で選んでしまうのだとか。(※1)
※1『これが年収だ!!』長崎出版よりp70
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