出版業界で働く


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出版業界は主に、書籍や雑誌などを発行する出版社、商品の出荷を管理し、出版社と書店の間を結ぶ取次、一般読者へそれらを販売する書店の3つに分かれている。一部の場合を除き、本は、出版社→取次→書店という経路で読者の手に届く仕組みになっている。出版業界という言葉から多くの人が連想するのは、出版社に勤務する編集者のことだろうが、それ以外にもこの業界には実にさまざまな職種が存在する。たとえば、出版社には書籍制作のスケジュール管理を主な業務とする人もいるし、取次では本をいかに無駄なく全国に送るかを考える人がいるし、書店にはその書店独自の色を出すために、どんな本をどれくらい仕入れるのかを企画する人がいるという具合だ。文章が好きで、なんとしても本に関わる仕事がしたいという人は、まず、本がどういう工程で作られ、どのようにして自分の手元まで届いているのかを想像してみるといいかもしれない。どの種類の会社にしろ、そこで働くためには正規の試験を受けて入社するか、アルバイトなどをしてコネクションをつくるかというのが普通である。

出版業界で働く人の正確な数は不明ですが、総務省の調査(※1)によれば、2004年時点で出版業を営む事業所の数は全国に5420軒あり、従業者数は9万7796人となっています。

※1「平成16年 事業所・企業統計調査」総務省統計局

大手総合出版社の給与はテレビ局並みの高水準。管理職と役員を除いた従業員の平均年収は、小学館で1195万円(平均年齢41.1歳)、集英社で1119万円(平均年齢39.0歳)などです。一方、中小規模の出版社や編集プロダクションは30歳で年収400~500万円程度と、その差は歴然としています。(※1)

※1『週刊ダイヤモンド(2005年11月5日号)』ダイヤモンド社よりp55

出版業界を取り巻く状況は激変しています。最大の変化はインターネットに代表される電子メディアの普及です。たとえばCD-ROMやウェブ版の百科事典は、価格、容量、検索性など多くの点で書籍版に勝っていると言わざるを得ません。ニュースや生活情報の入手に週刊誌や雑誌ではなくインターネットを使い、文庫本の代わりに携帯電話で小説を読む時代です。こうした中、出版社もインターネットのコンテンツ事業に力を入れているほか、個人のブログやサイトを丹念にチェックして新人作家の発掘をすることが編集者の仕事のひとつとなっている状況です。

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