作詞家


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歌の詞を書く。自作自演の歌手が増えたために、需要は減っているように見えるが、テレビのドラマやアニメやCFのテーマソング、新しい童謡、校歌など、歌そのものの数はむしろ増えているので、その重要性は変わっていないという指摘もある。専門学校があるが、歌詞のフォーマットがあるわけではないので、学校を出ればプロの作詞家になれるということではない。メロディをイメージした詞を書いて、レコード会社や原盤制作会社のプロデューサーやディレクターに持ち込むという方法もある。だが、持ち込みで成功する人はきわめて少ない。

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音楽の歌詞を作成するのが作詞家の仕事。作詞は文学における詩に近いところもある。音楽の作り方は、最初に曲を作り、その曲に合わせて詞をつけることの方が多く、完成した音楽に合わせて言葉をあてて行くことになる。よって文学的センスだけでなく、音楽的センスも欠かせない。また、曲は「Aメロ」→「Bメロ」→「Aメロ」→「Bメロ」→「サビ」というような規則性のある構成となることが多く、言葉の長さを合わせて揃えるテクニックや、それを支えるボキャブラリーの豊富さ、そして韻などの知識も必要だ。多くの業種の人が活躍している分野でもあり、作家・放送作家・コピーライター・作曲家・ミュージシャン・タレントといった仕事をしている人が作詞したヒット曲も数多い。裏を返せば、それだけ競争が激しい仕事とも言える。

現在活動している作詞家の正確な数は不明ですが、2005年4月時点で日本音楽著作権協会と信託契約を結んでいる作詞者(著作権の承継者を含む)の数は4092人、作詞・作曲者数は4270人となっています(※1)。ちなみに、日本レコード協会に加盟するレコード会社から2004年に新譜として発売された邦盤CDは、シングル・アルバムを合わせて8000タイトル以上にのぼり(※2)、相当数の作詞家がいることが分かります。

※1 日本音楽著作権協会ホームページより
※2 日本レコード協会ホームページより

作詞料の支払いには印税方式と買い取り方式がありますが、印税の相場はCDの販売価格の2~3%。売れっ子なら1000万円単位の年収も夢ではありません。(※1)

※1『つくにはBOOKS No.6 2006年版』さんぽうよりp16

この仕事につくための決まった道筋や必須となる資格はありません。音楽制作会社・プロダクションに就職するほか、作詞コンテストでの受賞や持ち込みなどを通してレコード会社と契約を結んだり、著名な作詞家に弟子入りしたりするなどの方法があります。レコード会社が運営する作詞家養成スクールや専門学校などで学ぶこともできます。アーティスト自身が作詞・作曲をして他の歌手に詞を提供する場合も増えており、純粋な作詞家として生計を立てられるのは一握りといわれています。

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