楽器職人


<< 書籍「13歳のハローワーク」の職業解説 >>

楽器職人新作の楽器を製作し、そのかたわら修理や調律なども行うのが一般的。バイオリンの場合はオーケストラをメンテナンスの得意先に持つこともある。メインで製作している楽器に近い楽器も作る人もいる(バイオリンとビオラ、ギターとウクレレなど)。職人になるには、工房などに弟子入りするか、専門の学校で学ぶ。弟子入りにはすでにある程度の知識や技術を持っていることが望まれる場合もある。販売本数が多い有名な職人を先生にするほうが、独立してから先生の名前ではくがつくこともあり、後々有利になるといえる。ただし熱意と根気がなければ弟子入りはできない。また海外の学校に留学することもメリットがある。たとえばバイオリンの場合、イタリアのクレモナに専門学校がある。1本の楽器をすべて自分で作る自信がついたら、あるいは先生に一人前として認められて独立する。いずれにせよ技術の習得には時間がかかる。製作した楽器は、小売店や専門誌などに持ち込み、市場を開拓する。出荷本数を多くしたい場合は、日本の楽器販売は小売店や卸しに持ち込む。職人製作の楽器はメーカー製のものに比べ高い値段がつく。13歳はまず演奏家としてチャレンジすることを考えるべきだが、その楽器が好きで好きでたまらないが、演奏家になることを諦める場合には、困難な道ではあるが、ぜひおすすめしたい職業である。

<< 編集部の職業解説 >>

バイオリンやギター、ピアノといった様々な楽器を作り出す職人。楽器とは非常にデリケートな製品であり、楽器職人には、素材の良し悪しを判断する目、高い技術力、楽器の特性の知識、そして確かな音感が必要といわれる。名匠ストラディバリが製造したバイオリンの名器「ストラディバリウス」などは、楽器というよりもはや芸術品であり、一流の楽器職人は後世に残る文化遺産の製作者ともいえる。一流の楽器職人になるには、有名な職人(クラフトマン)に弟子入りして修行を積む場合などがある。

ギター職人の場合、楽器メーカーや工房に勤務した場合で月収15~18万円程度から。独立した場合、ハンドメイドのギターはモノにより1本20~100万円程度で取引されます。また、バイオリン職人の場合、メーカーや工房に就職した場合は高卒の初任給程度からスタート。独立した場合、ハンドメイドのバイオリンはモノにより1本50~100万円の価格が付きますが、年間6本程度が製作の限度であり、また売り上げの半分近くの経費がかかるといいます。(※1)
※1『人間関係がニガテでもうまくいく天職ガイド』廣済堂出版よりp140、141

ギターやバイオリンの場合、2、3年で製作技術が学べる専門学校があり、卒業後、楽器メーカーや工場、工房、楽器店などに就職します。または、小規模な工房を開いている職人のもとに弟子入りして修業を積むという方法もあります。この場合、一人前になるのに10年はかかるといわれています。大手メーカーでは中・高級品を除いて量産体制がとられていますが、こちらは手作りが主体。自分ひとりの手で納得いく作品を仕上げる喜びを味わうことができます

本格的な楽器職人を目指すべく海外で修業を積む日本人も増えています。例えば北イタリアのクレモナは、バイオリンの名工であるストラディヴァリやグァルネリを生み出した楽器職人の町。ここにある国際バイオリン制作専門学校で学んだのち、現地で独立している日本人もいます。留学希望者は東京のイタリア文化会館を通じて出願申請をすることになります。

この職業解説について、感じたこと・思ったことなど自由に書き込んでね。

わからないこと・知りたいことは、働いている大人に聞いてみよう!

次はこんな職業も見てみよう!