楽器製作メーカーで働く


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大手の楽器メーカーの場合、楽器製作は完全な分業だ。ピアノの鍵盤なら鍵盤だけを、機械を用いて製作することになる。職人的な世界とはまったく違っている。専門的な知識は就職後に身につけるため、とくに音楽の専門学校を卒業する必要はない。就職試験では専門知識よりも、将来、製作チームをまとめるためのリーダーシップがあるかを見られるようだ。しかし、実際の製作は海外で行っている場合もあり、全体的に採用は減っている。メーカーには企画部門、デザイン部門、設計部門などもあり、デザイン部門は美術大学や専門学校でデザインを学んだ人、コンピュータ時代なので、設計部門は工学部の大学院などで電子系の知識やソフトウェア技術を学んだ人が採用される傾向がある。自分がどの部門に進みたいのか、はっきりさせることが必要だ。また個人でバイオリンやチェロなどを趣味的に製作する人も増えている。

国内に楽器製造の事業所は90以上ありますが、アナログの楽器から電子楽器まで幅広く生産している総合楽器メーカーとなると数社しかありません(※1)。最大手クラスのメーカーには5000人以上の従業員がいますが、この場合、楽器以外の事業に携わっている従業員も大勢います。このほか、数百人規模のメーカーはあるものの、10~30人程度の中小企業が多いようです。

※1『あしたをつかめ平成若者仕事図鑑』NHK出版よりp56

◆楽器メーカーの初任給は17~20万円程度。(※1)
◆業界最大手のヤマハ株式会社の平均年収は、平均年齢45.4歳で805万円。(※2)

※1『つくにはBOOKS No.9 2006年版』さんぽうよりp42
※2『就職四季報2007年版』東洋経済新報社よりp678

制作部門で働きたいのであれば、楽器の製作・修理・調律などが学べる専門学校を卒業する方法があります。この場合は、手先の器用さ、技術力、集中力、音感などの資質が問われるでしょう。デザイン、設計部門などを希望する場合は、造形センスや工学系の知識が必要となります。楽器メーカーにはこうした部門以外にも、企画、営業、販売、事務など一般企業と同様の部署もあり社会人としての相応の能力が求められます。

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