鍼灸師(しんきゅうし)
<< 書籍「13歳のハローワーク」の職業解説 >>
はり師ときゅう師のことだが、同じ人が施療することがほとんどであるため、鍼灸師と呼ばれる。民間療法として伝承されている東洋医学のひとつで、鍼療法は金属の細い針を経穴(ツボ)に刺して刺激を加え、血液の流れをよくし、筋肉をやわらげたり、神経を鎮めたりする。灸療法は薬草の艾(モグサ)を燃焼させ、その熱気で体調の回復を図る。いずれも施術には国家資格が必要で、専門学校などで3年間授業を受け、東洋療法研修試験財団の行う試験に合格し、鍼灸師として登録する。医療機関に就職するか開業するかで、医療機関では医師の指示のもとで施術する。神経痛、リウマチ、五十肩、腰痛症、頚腕症候群などの慢性疼痛疾患の場合にかぎって、健康保険がきく。西洋医学の体系にはないものの、スポーツ選手が治療に利用することも多く、動物の治療にも利用されるなど、治療法として見直されている。
<< 編集部の職業解説 >>
はり・きゅうは伝統的な東洋医学で、日本でも古い歴史を持つものだ。現在では日本や中国だけでなく、世界からも注目され、多くの国々で代替医療(正規の医療の補完)として用いられるようになってきた。はり治療とは金属製のはりによる物理刺激を利用して、生体が持っている治癒機能や防御機能を高め、疾病治療や健康保全を図るもの。きゅう治療とは、もぐさをツボの上で燃やして温熱刺激を加え、はり治療と同じく生体が持つ治癒機能や防御機能を高めることを目的とする。身体にはりを刺したり、皮膚の近くで火を扱ったりといった危険な作業を行うため、高度な技術・理論の修得が要求され、国家試験に合格した者しかなることができない。はり師ときゅう師は資格が別々だが、2つの免許を持つ人が多いため、鍼灸師とも呼ばれる。2004年末時点で、実際に就業しているはり師の数は7万6643人、きゅう師の数は7万5100人です。94年末時点では、はり師が6万6322人、きゅう師が6万5363人であったため、ともに10年で約1万人ずつ増えたことになります。(※1)
※1「平成16年 衛生行政業務報告例」厚生労働省より
◆見習いで月給20~25万円、院長の片腕クラスで50万円。独立した場合は月収100万円程度が上限か。(※1)
※1『これが年収だ!!』長崎出版よりp63
勤務先、経験年数、技能などにより大きく異なります。
鍼灸師として働くためには、指定の学校・養成所において、はり師またはきゅう師として必要な知識・技能を修めるなどしたのち「はり師試験」または「きゅう師試験」という国家試験に合格する必要があります。第13回(2005年)はり師試験の受験者数は4271人、合格者は3396人、合格率は79.5%でした。同様に、第13回(2005年)きゅう師試験の受験者数は4271人、合格者は3382人、合格率は79.2%でした。
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