畜産農業


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畜産農業乳牛から牛乳をしぼり、乳製品をつくる酪農と、肉牛、豚、ニワトリなどの飼育、生産を合わせて畜産業という。生産額でいうと米や野菜よりも多く、日本で最大の第一次産業といえる。だが従事者の高齢化と後継者の不足、安い輸入肉の流入、さらに最近では狂牛病の影響などもあり、厳しい時代を迎えている。仕事としてみると、畜産業にはほかの農業にはない特徴がある。ひとつは動物を相手にしていることもあって、毎日かなりの時間をかける必要があり、いわゆる兼業農家という形態をとるのが難しいこと。もうひとつは飼育している農家の数は大幅に減っているが、家畜の数はそう減っておらず、一戸あたりの家畜の数は増加していることだ。一種の家族経営から、企業経営的な傾向を強めているので、企業に就職して畜産に関わることもできる。農業大学校や畜産試験場など、畜産の技術や経営に関する研修を行っているところは各地にある。決して簡単なことではないが、都会に住んでまったく関係のない仕事をしていた人が、一から学んで畜産を始める場合もあるという。また酪農に関していうと、牛乳は、鮮度の問題もあって、100%国産が守られている。

畜産農業を営む人の正確な数は不明ですが、2000年の国勢調査の時点で21万5226人が養畜作業者として働いていました。また、農林水産省の調査(※1)によれば、乳用牛の飼養戸数は2万7700戸で飼養頭数は165万5000頭、肉用牛の飼養戸数は8万9600戸で飼養頭数は274万7000頭(以上、2005年2月時点)、豚の飼養戸数は8800戸で飼養頭数は972万4000頭、採卵鶏の飼養戸数は4090戸で飼養羽数は1億7455万羽(以上、2004年2月時点)となっています。

※1「畜産統計調査」農林水産省

◆従業員として牧場に勤める場合の初任給は15~20万円程度。大きな牧場で経験を積み一通り仕事を任されるようになると40~50万円程度になることも。独立した場合、売り上げは数千万円になるもののエサ代や治療費など必要経費が6、7割かかり、年収として残るのは700~800万円程度。(※1)
◆農林水産省の調査(※2)によると、2004年の酪農経営農家1戸あたりの農業所得(農業粗収益から経営費を引いた額)は802万円、同様に、繁殖牛経営農家が179万円、肥育牛経営農家が905万円、養豚経営農家が872万円、採卵養鶏経営農家が166万円、ブロイラー養鶏経営農家が567万円となっています。

※1『これが年収だ!!』長崎出版よりp35
※2「農業経営統計調査」農林水産省

酪農や畜産課程のある高校や大学、専門学校、畜産試験場などで基礎的な知識や技術を学んだ後、畜産農家や酪農家のもとで働きます。酪農家が休暇をとる際などに派遣され、搾乳や給餌などの作業を行う酪農ヘルパーとして働く制度もあります。いずれにしろ、動物と自然相手の厳しい労働であるため生半可な気持ちではつとまらない職業です。

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