庭園設計士
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個人宅の日本庭園から、公共の緑地、公園などを設計・施工する。庭園を設計するためには、樹木や草、土や石、水などの知識が不可欠。また、病害虫や農薬、環境に関する知識も求められる。日本では昔から名園が多く造られてきたので、歴史への関心も必要だ。そうした知識をもとに、客のニーズにあった設計を提案し、実際の工事の指揮や監督をするだけでなく、自らも作業にあたる。資格がなくても庭園設計はできるが、ふつうは大学の土木学科や建築学科、専門学校のガーデンデザイン学科などで基礎知識を学び、庭園設計会社や建築会社に就職する場合が多い。そうした実務経験を1~5年積んで、国家資格の造園技能士(1、2、3級)や造園施工管理技師(1、2級)を取得する人が多い。これらの資格は、公園や緑地の庭園設計や公共施設での緑の管理を担当する場合には必要とされる。これまでは男性中心の仕事だったが、近年のガーデニングブームで、女性の希望者も増えてきている。なかでも、イングリッシュ・ガーデンは人気があり、英国へ留学して庭園設計を学ぶ人も出てきている。
<< 編集部の職業解説 >>
木々の緑や草花の赤や黄といったカラフルな色を見ると、誰しも心が癒される。近年、エコ意識の高まりとともに、生活に緑を取り入れる人が増えており、それを仕事として行う、庭園設計士(ガーデンデザイナー)の注目度も上がっている。
対応する規模は、個人宅の庭から、庭園、公園といった広大な敷地まで幅広い。ただ、実際は人によって、あるいは会社によって、個人宅専門や都市開発中心など、ターゲット(客層)を絞り込んでいる。
「デザイナー」という名称でも呼ばれるように、美しい景観を作り上げるのが、庭園設計士(ガーデンデザイナー)のサービスであり、商品でもある。
庭園設計(ガーデンデザイン)は、オーダーメイドなので、お客様の期待も大きい。その一方、手掛けたデザイン一つひとつが、自分の作品にもなる。最大のやりがいは、お客様に喜んでもらえることだろう。お客様のためにデザインした、世界に一つだけのものなので、お客様にとっても、そして自身にとっても、その喜びは大きい。
個性を発揮できる職種であるため、優れた実績を積めば、場合によっては指名されることも。有名人の邸宅の庭を手掛けるとか、都市開発の目玉として起用されることもあるかもしれない。そうなると、収入面でも大きな満足を得られるだろう。
ハウスメーカーの造園部門や造園会社などに庭園設計士(ガーデンデザイナー)として勤務した場合の初任給は、20万円前後。
年収例として、30歳台半ば(35歳くらい)で450万円、40歳過ぎたところで年収600~700万円。経験と実績を積めば、さらに高い収入を得ることもできるし、独立や開業するケースもある。
庭園設計士(ガーデンデザイナー)として、身につけておかなければならないのは、まずデザインスキル。図面を描き、カラーコーディネーションを行う力が必要だ。同時に、樹木や草花、土壌、農薬など園芸に関すること、日本庭園からイングリッシュガーデンに至るまでの庭園文化、美観や環境など公共スペースに対する配慮、デザインセンスなどの知識や技能が必要とされる。その上で、植物は生き物であり、年間を通して変化するので、季節ごとの景観をイメージしてデザインするセンスも求められる。
さらに、デザインを実現するための知識として、土壌や給排水、外壁や外溝などのエクステリアに関すること(設計、測量、土木、建築などの知識・技能)についても学んでおくことが大事である。
庭園設計士自ら現場で作業をすることもありますが、実際の作業は造園士、庭師、植木職人と呼ばれる職人によって行われます。ちなみに、植木職、造園士として働いている人の数は2000年の国勢調査の時点で12万3978人。また、造園士の収入は、平均日当にして1万4000円。成りたての職人の場合は月収20万円前後で、現場を仕切れる監督になった30代後半で30~35万円。これにボーナスが加わり550~600万円というのが現場監督の年収になるようです。(※1)
※1『週刊ダイヤモンド(2005年11月5日号)』ダイヤモンド社よりp46
【特集:13歳が20歳になるころには】環境-21世紀のビッグビジネス
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